一五〇話 宵のおでかけ
「ご馳走様。じゃあ、いってくる」
「
「条約違反になっちまうだろ。留守よろ」
「……。ふん、とっとといって帰るがいい。どうせ
この
仕方がない、といえばまあ。今回結んだ条約に
それを止めなかった殿下へも不満を募らせていそうだったが、月の嫌みで殿下も私が提示したこの案に反対どころか大反対! とわかった様子。殿下が一緒なら平気とも。
そうして不機嫌の
うーん。私が言ってもぶっちゃけあまり破壊力なくないかねえ。それこそそういうおねだりは月の
はあ、やれやれ、気が重たい。そう思っていると金狐宮の門前に馬車が停まる音がしたので宮をでていく私は
で、私が宮の玄関からでたと同時に待ち人が門をくぐってきた。……不機嫌。超すっごくものめっさ不機嫌だ、殿下。むす、と膨れ面でいるが私が困って微笑むとバツが悪そうに顔を
殿下の
続いて殿下が乗り込んで小窓のところをとんとん叩いて合図。馬車が走りだす。
「待たせたか?」
「なんで
「俺の妻を他の男とふたりで会わすかバカ」
「はいはい。君と口論しに来たんじゃない。早速だけどご馳走になりたいね、
殺伐
私の宮に新しく
一石二鳥……以上かな? だって、泉宝の皇帝陛下が息子の、皇太子の
これが殿下には面白くない。よって機嫌が悪いのはわかります。ほんの少々の
感じたけど一切意に介さない様子の然樹皇太子の手に手を乗せて、引っ張られる。
然樹皇太子の腕の中に
ぞわり。幾度か覚えた
びくつきたいのを必死で
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