一三九話 初耳話のち、恥ずかしいの来た
はじめて聞いた時、へえ、と思った。
それだけ、だとはじめの方こそ思っていたものだが月の話を
月の場合は私に恩義を感じた以上に私の
あやかしの中でも高位のあやかしとは孤独な者が多く見あう器を持つ人間がいたら必ず幾度か接触を試みるのだとか。そうして人間を妖気で
「あからさまぢゃのう。おお、そうそう先ほどはこやつのことを「
「で、でたらめもいいところだね」
「はて、
「な、な、ぐ……っ」
どうやら
殿下になら通じる
少なくとも殿下は褒める気満々でいるご様子が態度にでている。くっくっ、と忍び笑いを
向こう様、
……て、のも失礼か。いやあのアレ、私が誰にどんだけ失礼でもどうでもいいが。
特に今回の件においては殿下に反省してもらわないといけないとひんやり考えているのはひょっとして私だけか? いやいやいや。いいだろう、これくらい普通に考えて。とかなんとか思っているとそばにいた
「殿下は
「だ、断食?」
「ああ。だからそんなふうに
「……うーん。私からの罰は別でご用意」
と、私が答えたらば厽岩将軍は私のなにかに激しく衝撃を受けた顔で「は!?」みたいな感じになってしまった。いや、いやいや甘やかしませんからね、私。その程度で。
そんなもので然樹皇太子から受けた
私が殿下に対して思っているのは、ひとつ。というところで殿下方の言い争いもっと言って
然樹皇太子の言い分もたいがいアレだが、殿下の方が言っていることが正しいか、と訊かれちゃうと返答に困るものがごぜえます、私。だって、さっきからこのふたりは。
「
「黙れ、俺が考えていない。貴様はなんだ花、だと? 貴様こそそのままだろが!」
「ふん。どっちにせよ、たかが将軍ひとりなんだから
「ふざけるなっ! 彼女は俺のたったひとりきり真剣に選んだ
「そう簡単にいけば苦労なんてないさ!」
ちょっと、現実逃避という逃げに走ってもいいでしょうかダメでしょうかそうですかそうですね。私がそれしちゃったら止める者がいなくなっちゃう。とかそういう関係。
でもね、この場にいる地位ある皇子ふたりは自分が、いや自分の方が私を愛してうんたら言っていて正直ぶっちゃけ私が止めるに止められない。なにこの恥ずかしい連中。
バカじゃないのか。アホじゃないのか。ボケていないだろうか。それとも私だけ?
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