一三五話 どうしよう、な状況進行中
「ところで君、
「なぜ、そんなこと告白せにゃならん!?」
「え。乙女だとは思ったけどちょっとくら」
「ふざけんな、
うぬぬ。私と殿下がそういう関係だったら殿下だってあそこまでてめえに噛みついたりしねえっつーの。私たちは
てゆうか、私はなぜにまだ会って数日の男、それも隣の国の皇太子と「そのようなこと」に
ってのもどうでもいい。こ、こいつのアレってば細身の
どうしよう、どうしたらいい、どうすれば回避でき、あれ、もしかして回避不可?
そんな、まさか。口づけだけでもこいつが先越したってのに、この上、あの夜、じゃないのに夜の
ど、うしよ。動きようはあるが逃げようにも首輪と枷には当然の
「ねえ、
「ずいぶんと身勝手に
まずい。本当にまじめに危険、という域を越えてまずすぎる。そう、私が青ざめた瞬間に聞き知った、長く聞いていなかったように思えるが為か、懐かしい
声に私は顔を向け、然樹皇太子は周囲を見渡す失敗をくれたのでここ最近の不幸中の幸いと私は皇太子の
声は、最初の声かけは
「ぐ、何者だっ!?」
「そう言うぬしがなに
月の声は冷たい。異様なほど。炎というよりは冷え凍える氷の地獄が似合う、そんな声で然樹に「なに様だ」と問うた
私がつい、ほっとすると続けて首輪と足枷の封術を一瞬で解除し、炎熱で溶かして外してくれた。私は高価な就寝着のはだけかけている前をあわせてぎゅ、と握りしめた。
遅れて体が震えはじめる。と、現在地、然樹の寝室と思しき場所に荒い足音が近づいてきた。と思ったら扉が強めに叩かれた。然樹の許可も待たずに告げられる驚き一報。
「殿下、
「な。嵐燦がいまさらなにを」
「決まっておろう、ド
月の口調はよどみなく、現状を然樹に正確無比に教えてやるのに動く。バカにした
「
「……た、かが一将軍の為にそんな危険を」
「ほ。ぬしの行動と合致せんのう。その一将軍に
月の言葉の裏。私が一将軍ではないと知っているだろ、という含みであり、嵐燦殿下とも深く関与している私を「
ああ、本当にこの狐は
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