一二八話 低迷する最中の噂に乗ってみる
そんな折、ひとつ噂話を耳にした。
あいつが身を固めたら、僕も
僕に話のひとつもない。と知られたら作物、
あってはならない、現実だが着実に忍び寄ってきている恐怖に
その女がいかほどの戦
式持ち。その式だかを横取りできないだろうか。ふっ、と湧いた思いつきだった。
面白そう。久々にわくわくした。女の身で将軍にあがるくらいなので相応に強力な式であろうから、当面の「
天琳から着任間もない将軍を誘拐。それも女ならばひょんなことで嵐燦と秘密の関係を持っているかもしれない。それは当たった。あの平静を保つバカがやけに噛みつく。
これは、と思ってあの複雑極めて単純バカを挑発してやったらまんまと引っかかって
あの
バカの下から
念の為、
最低、だってさ。そんなのどうでもいい音の羅列だね。まさにその通りだったから反論しようもなかったけど、ひとでなし、と呟かれたことだってある。その女の親は見せしめに
ひとでなし、ねえ。たしかに普通の「ひと」ではないかもしれない。……いや、その通りだったから余計に腹が立ったんだろうね。僕が望んだわけではないっていうのに。
勝手をほざいてくれるもんだ、と。そんな苦い思い出を
さらには
この僕に、
ここまで非人間的だとただの式持ちじゃない、という論が首をもたげてくる、というもので続けて彼女との会話をなぜかうきうきと楽しんでいた。……どうして、だろう?
はじめて自分以外にひとらしからぬ人間を見たからだろうか、ただの思いつきで攫ったのにいつしか結構本気で縛りつけたいな、と思うようになってガキの身柄の代わりに名を訊ねたがさすがに
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