時の悪戯。特異なる体質の悪戯
一二五話 時すぎて昼の頃……
「やあ、
「……」
聞こえてきた
ちょうど昼時。やってきた客、招いていない客は背に
私はそんな気分じゃない。ばかりでなくてめえの
なのに、自動拱手してしまう私の今、こいつ――
なのに、然樹皇太子は一切構わず、寝台脇の机を引いてだし、そこに食膳をふたつ置かせて侍女たちをさがらせた。相手はにこやかだが、私の視線はきっと険しさを極めていることだろう。私のそばで寝台のそばで一緒にいてくれる
「ちゃんと食べてね、水花」
「……腐れ心遣いだ、ボケ」
「ふふ、
「しね、変態皇太子」
「なにを言ってくれても構わないよ。どうせ逃げようもないんだから。それと
こいつ、この野郎。やっぱり性格腐ってやがる。私、そんなこと一っ言たりとも言っていない。どうしよう、真に受ける……わけないのがいるから大丈夫だな。
こんな単純すぎるつまらん手に引っかかるわけないというよりは私の性格から
心配。騙され、る前に月や
殿下がどうしているか訊きたいところだが見返りを要求されたら困るので興味も関心も持っていない、を貫いておこう。……いや、それ以前に本当に興味がない、と思う。
殿下の様子について、でなく。この
そんな冷めた思考で私は芽衣が事前に言っていたことを実践することにして
その
好きにしていい、と言ったのはてめえだ。
「ん、んぐ。すべて、大丈夫です」
「うん。でも
「あの、平気です。私もあやかしですから」
「そう、すまない。ありがとう、芽衣」
「い、いえっ私の方こそよくしていただ」
「ふうん、仲良くなったんだねえ?」
私と芽衣の平和な会話に口を
しかし、
さて、現実逃避はやめて不機嫌皇太子の相手をしてやらねばならないのだろうか。
面倒
警戒はするがとりあえず目の前の飯を適当に食べておこう。と、はいっても少しだけでいいや。あまり食べたくないというの以上に舌、
クソっ垂れ。遠慮なくひとの舌ザクザク
いたたた……っ。
「薬、あげようか?」
「要らね」
「僕が手ずから塗ってあげるよ」
「要、ら、ね、え、よ!」
「ふふ、
なにを言っているんだろう、このアホ。ひとり
それともなにこれ言っちゃいけないどころか考えてもダメな感じ? すげえ不公平だと思う一方、
わかるが、理解や納得はできない。だって
どちらが偉いだの、
あの
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