一二一話 すぐ、なんともならなくとも
ふざけんな。私は
芽衣に施された
私はだが、応えられない。なんて、支配力。自由がない、とはよく言ったものだ。
今の私はまさにそれだ。まずいどころでないが、もうどうすることもできない。この皇太子
悔しいが、どうしようもない。あの時はああする以外に命を拾う
仕方がないと割り切りたいが、割り切るなんて到底無理、不可能だ。これで帰路は
どうでもよい、と思われていなければ策を講じてくださるだろ。それまで耐える。
身がもつか、はわりかし謎だが。身内に
今のところ、この皇太子は私の持つ妖気の
だから質のよい栄養を一度に少しで満足している。現状は。先々ではわからないのが恐ろしいところ。はあ。自分のお人好しさ加減に
親がいない私はだが親のように守ってくれる
それでもなお、選んだ道に後悔はない。ない、と思いたいなあ。だって、芽衣のような女の子をどうでも扱いしては私は、うん。それこそ後悔する。
私を栄養の
今回殿下の特大阿呆で盛大に
……こんなことを考える私は
「昼はまた届けさせるよ」
「……」
「くす。芽衣をそばに置きたかったら自由にしてよ。
飢え知らずになれる。なんだか嵐燦殿下と似たようなことを言う男だ。彼も私と出会って永い渇きを満たされた、と言っていた。そして、私の代わりはいない、とも……。
ねえ、殿下。本当ですか? 見捨てずにいてくれますか、こんなありさまになった私でも許してくれますか? 自ら
いや。忘れないで、助けて。私なんかが望めたことじゃないが、望んでいいなら殿下の心に残りたい。あんな
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