一二〇話 脅され、従わねば、ならなくて
「
「……っ」
「その代わり、今、僕を受け入れろ」
さすがの
だが、逃げだすもとい
「さあ、芽衣を
「さ、せるか……っ」
「するよ。
「わ、悪く思うな。恨まないでくれ」
いつからいたのか、男がひとり脇に立っていて、その男の妻か、女のあやかしが芽衣を捕まえて頭を押さえつけている。芽衣は必死で抵抗するが、大人の力には敵わない。
私が然樹
そんなもの、好機であって好機じゃない!
「三つ数える間に
「待、て……、てめ、えクソが」
「なんだい、
っの野郎、むかつく満面の笑み浮かべやがって腹立たしいったらない。
ああ、あとで
私はいやいやだったが口を開けて
てか、許されろ、この
にっこり。なんて、音がつきそうな、いい笑顔になった然樹皇太子はそれこそ早速と私に覆いかぶさってきた。あわさる唇。絡められる舌。と、不思議な現象が起こった。
体の奥底からナニカ、としか表現できないナニカが吸いだされていくような感覚。
ぞわぞわ、と
「ん、ふ。……はあ」
「けほっ、はっ、は、はあ」
「知っているかい、水花」
「? なにが、だ」
「
この
つまり、こいつはあやかしを喰らう者。……いや、吸と、吸うとつけられるなら
なぜ、
たしかに身内に
「
「あ?」
「僕にとってあやかし、という栄養はね?」
なに、言っているんだ、こいつ。あやかしを栄養呼ばわりってどういうことだよ。
つまりなにか。私はてめえの為の栄養が詰まった
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