一〇七話 なぜ。こんな展開予想できるか!?
若い女の子たちがキャーキャー言って
殿下と違う
このあやかし、軽い見立てではわりかた
まず娘が
「ずいぶん強そうだね、君」
「は?」
「どうだろう。あんな枯れ皇太子より僕の方がいろいろ満足させてあげられるけど」
「冗談よせ。てめえが殿下以上のものを私にだせるとか
「あれえ? 君も式持ちだろう?」
「一緒にするな。私の式は変わり者なだけ」
それに
あやかしは特に名を明かす、
だとしたら、陛下が私に「
「へえ。よほどあやかしに
「どうだろうな」
「
「ああ。
「口が悪いね。
「はっ、どうやってだ?」
「簡単さ。そこのおバカが大事なら、ね?」
一瞬、なにを言われているのかわからなかった。だけど聞こえてきた覚えのある
なんで、ここに。いや、なにをして。
と、そこに
「皇太子。なぜ、ぬしがここに……?」
「くっ、水姴! 邪魔をするな!」
「邪魔はてめえだろっなに考えてんだ!?」
皇太子。そう、嵐燦殿下がなぜか
こんな、式がわんさといる危険な戦場に現れるなんて自殺行為だ。いや、絶対に死なせないが。ここでこのひとが死んだら
なぜそれがわからん? どうしてそんな簡単なことの判断もつかなくなっている?
ああクソっ! これじゃあ違う意味で
そこでふと、気づいてしまったことがひとつ。私は
体丸ごと使った体当たりでその場をどかす。どけさせた私が代わりに「そいつ」を喰らうが仕方ない。なにを
地上に降り注ぐ
ざくり。平原の草を踏む音がいやに大きく、近くから聞こえてきた。私が最後の意識で見上げるとそこに見えたのは意地悪い顔をした泉宝の皇太子の姿だった。動けない。
それは、男が竹槍を手の一振りで消し去っても変わらず。全身にぶっすり注ぎ込まれた薬がまわり切ってしまい、動けない私の腕が掴まれ、誰かに抱えられた気がした。同時に手にしていた
「
「あれ~? 事態を
「……っ」
耳のすぐそばで嫌みったらしい言葉がしていて、聞こえているような気がしたがそこまで。私は意識を保っていることができなくなり、
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