一〇六話 開戦せよ。で、どうやら話以上だ
場慣れた将軍や
弓に矢を
そして、弓兵たちが番えているのは
「
私の掛け声を皮切りにして兵たちが続々と矢を放っていく。敵兵は一瞬
それこそまさか。これは
当然手加減無用。兵たちもそうだが私も用意した水玉はただの水じゃない。微調整を
他の歩兵はすべて
それなら経験を積むという意味あいでも彼が預かった方が伸びがいいのは明白だ。
「後方支援だけとは運のない部隊だな!」
「……はあ?」
胴体が斜めにずれていっているんだが。そして私は背の槍を振り抜き終わっているんだけど。な、知っているか? てめえ、もう死んでいるかひょっとしたら
果たして私は自軍
それが戦の
両軍、硬直してしまっている。私は
「
「……娘の為だ」
「妻の為だ」
「両親を守ることができるならっ」
私の問いにあやかし兵たちは応えた。
家族、大切な者の為、存在を無事に生かす為に軍に
ま、あやかしの言葉を
「もし」
「あ?」
「俺の娘を助けてくれるなら、こ」
「おやおや、いったいなんだい。これは?」
不意なこと。どこかで聞いたことのある声がした。ひとを
だが、まさかと思った。敵将の中でも
「やあ、あの軍議以来だね、
「……
「君は式に詳しいようだね。ふうん?」
「そこまでじゃねえよ。式持ちの常識だろ」
そう。式締め、とは式持ちの人間ならば誰でも知っている禁じ手のひとつだ。戦に綺麗事を並べる気はないが、
式を従わせる為には見あう妖気の受け皿が
相手に見あうだけの皿、もとい器がなければ接触者を殺す者がほとんどであり、
親きょうだい
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