一〇三話 陛下のわからん発言と殿下の不機嫌
「やはり、
「普通、だと思っていましたが」
「いや。よく気がついた。お陰で助かった」
「光栄です」
その通りだったから私は光栄です、と返してついで謎の不機嫌に包まれた意味不明殿下に向かいあう。向かいあったのだが殿下は困ったように視線をうろ、と
なんだっつーんだよ、殿下あなた。……あ、ああ。
もしもそうならそうだ、とはっきり言ってくれないと私ではわからないんですが。
でも、殿下のこの
あの、えっと。殺しあいをするんであってお見合いするわけではないんだがそこのところわかっているんだろうか、殿下。なにひとつけしからんことも不穏なこともない。
それとももしかして相手の皇太子、えーっと
「あー、っと。
「はい?」
「
「? はあ。干乾びては見えませんが」
「え?」
「は? え、
私の「当たり前」に抱いた返事にしかし陛下は苦笑いというよりこちらさんこそ乾いた笑いを浮かべている。なに、どうしたとおっしゃる?
うーん。いまいちわからない私が困っていると
殿下は、うわなにその不機嫌さ。かなりイライラとキている
むすっとした殿下は私の「はて?」により一層機嫌を
ただなあ。そんなふう態度だけで示されたって私たちは
私たちが
現状不可能な特殊能力に目覚める希望は捨てて言葉に、声に、音にしてくれない?
その方がお互いの精神衛生上よろしいでしょうから。だって、伝えたいのに伝わらないなんてもどかしいことじゃないのか? 違うんだろうか。どうなんだ。わからない。
「なぜ、応答したのだ」
「……え、は?」
「あの
「あ、のですね。普通、応えませんか?」
「……。通常なら応えないのは
うん。これは突っ込まないであげるべきだろうな。思いあがり徳妃って先日
アレは私でも
後日、
でも、東の大国の皇太子があの元上尊徳妃に似通った
元より
でも、一回か二回かとかそこら辺はわからないが会ったことがある殿下がこう言えどもそれが敵として現れるなら仕方ないし、
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