軍議を経て戦の場へと向かわん
九七話 顔あわせ後日、軍議へ
私は
そうして車に揺られること
後ろから呼び止めたそうな声が聞こえた気がするが気のせいということにしておいていい。なので、無視に処して顔、というより面で説明を
以前来た応接間ではない、どちらかというと会議でも行うかの如き室に案内され、案内役の
私に続いて入った月が扉を閉める。ぱたん、と軽い音がして室内は日光と
「陛下、冗談だと思っておりましたぞ」
「いやはや、同意ですな。まさか女を起用するなどと
うおう、いきなり嫌み
ここにいる、限られた
どうせこの親にしてこの子あり、な状態で殿下にそっぽ向かれたんだろが、アホ。
なんて私がひそかにぐるぐる
だと思ったのは私だけではないらしくあからさまに不服そうな空気を
従って歩いていく途中もこそこそと
「
「結構な差別ぢゃな、皇太子よ。燃やすえ」
実に軽~く燃やす言った月だがあの声はマジだ。こいつたかが席の位置どうのこうので皇太子殿下を焼く、
仮もクソもなく皇太子を燃やすとか正気?
私には月の正気なるものが見つからない状態なんだが。こいつも気のせいですか?
私の気にしすぎで気のせいならばいい。んだけど実際問題はそうじゃあないっぽいので困ったもんだ。
……。ちょっと訊いてもいいか? てめえらこそさっき殿下に失礼なことほざかなかったっけ? 殿下の寵をえるには将兵になる必要がどうこう言った
それの発言は棚上げして月のまあ、ちょい過剰過激だがそれでも正当な突っ込みっつーか文句に添えるべきじゃないこと言っていると思うんだが。なに特別もうけてんだ。
てめえらだけが特別じゃない。ってこれどこだかの
ここは、国の
「静まれ」
と、そこに冷静な声が落ちた。
皇帝陛下が、直々に「黙れ」とおっしゃったことでやかましいひそひそは引いていったが私への好奇の視線、訝しむ眼差しはやまない。半分は月のせいにしたいがならないのもわかっているので私は気にしないフリに努めて殿下の隣とその隣にも席をもらった。
まわりがうるさくしないように殿下の隣、といっても半歩さがった隣に席をふたつもらって月と一緒に腰かける。月は不機嫌そうだったが、ふん、と鼻を鳴らして黙った。
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