九一話 結構な無茶言うよな、このひとー
「
「わかっています、父上」
「だった――」
「ですが、本当の本当は父上でもいやです」
「……。お前、嵐燦。それはちょっとどころかだいぶ
本当だよ、陛下。殿下ー、まじめな話愛が
実際、訊いちゃったら私が理解できるまで語りたいとか言ってまた
それこそ、私に、
殿下に「そろそろ戻った方が」と。でもそうすると殿下がごねるので面倒臭、もとい説得に骨が折れるのでもう、なんだ。勝手にしてください、と放置しているわけです。
でも、そういう時は茶もださないし、私も課題の読書や教材をこなして
そんでもって陽が暮れるかな~、と思っているとそわそわしだして、見計らったような間で皇后陛下が迎えにというか連行しに来て持って帰るもとい連れ帰ってくれると。
あれ? これって私が悪いのか? うーん、世の中理不尽だと常々思っちゃいるがそれがでもこういう場でも発揮されるのは「ええっと」と言いたくなる、というものだ。
だって、私に非は……あるといやあ、あるが。ないといやあ、ない。実に、非常に微妙なところだったりするので困ったもんだ。悪くない、と自己肯定するのは楽だけど。
安易にそうできないものなので。だって、本当に無罪(?)でいたければ迎え入れないでいればそれでいいわけで。別に締めだしたってお咎めがくだるでもないんだしさ。
それができない理由は、殿下が私なんかを好きだ、と言ってくれる
こんな女、どころかひとのなり損ないのような私を好きだ、と愛していると言ってくれていて、私の宮で
その皇后陛下に、
――心から安らげる空間にいたくてなにが悪いとおっしゃられるのです、母上っ!
……だったか? 皇后陛下は
私はもう、陛下に対して恥ずかしいやら申し訳ないやらやはり恥ずかしいやらで。
なのに、今度は
なのに、いったいなんの心配ですかね。それとも他になにか意味が、というのではなくマジで
ああいやいや、皇帝陛下におっさんは言っちゃいけないだろうがでもだってねえ?
年齢的にちょうどそれくらいなのだし、これで陛下や将軍が私に興味お持ちだったら私が、遠慮なくぶった切ってあげますから心配無用です、殿下。少女趣味説だろうが。
自分のこどもくらい歳の娘に「そういう意味」で興味持っていたら気持ち悪いよ。
「嵐燦、放してやれ」
「もうちょっと。今日はいけないかも」
「……知っているか、嵐燦? ここのところというか
「それは、母上の思い違いです」
「殿下、あまり
「静、
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