九〇話 認めてもらって、解散して、で?
「なるほど。たしかに
「ああ。若い娘なのは目を
「んー、私はいいのですが。下に
そう言って
で、そのしばらくがすぎて陛下は
が、厽岩将軍は木簡を巻き直して自分の
「
「いや、知ってい、って、え?」
「
「仲良しこよしする気はねえよ」
「ははっ、なるほど。女にしておくのがもったいない
うん。納得しているところアレだけどてめえさんの背後で殿下がめっちゃ不機嫌になっているんだが、それはどうすればいいだろう。アレか? 無視していいんだろうか?
いやまあ、気にするというか私が気にかけることではないのはそうだろう。だって証拠に陛下が「どうどうどう」と
私がなにかあったか、疑問に思っている間に早朝の連絡会は終了し、散会となる。
厽岩将軍はじめ
「
「は? ってわちょっ!?」
突然、殿下が声をかけてきて驚く。そして、さらに驚くことになった。急にぎゅうっと抱きしめられて。一瞬、ぽかん。直後、ぼふっと赤面したのがわかった私は慌てる。
ちょ、ちょちょちょっと、殿下!? なに急に、なに突然、なにいきなりなに!?
はい。頭の中真っ白どころか大混乱で情報伝達回路は大混線といった具合になっている私である。が、
陛下はともかく月、てめえは私を放置するなよっ。一応主人なんだから困っているのもてめえだから察しているだろうになぜ放置するんだ。なんで
意味がわからん。いや、今一番の意味わからないは殿下だ。なんなんだいったい。
「あの、で、殿下……?」
「俺は、違うと思っていた」
「はい?」
なにがだ。なにが違うと思っていたと?
でも、殿下は説明する、というのを一切合切
いや、あのまじめに苦しいんですが? なんなんだろうか、これは。無視というかさっきまでの対応への仕返しか。てかそもそも
「俺は、
「し、しっと? は?」
「静が厽岩と握手するかと思ったら殺意が湧いて、でも静が拒否して嬉しくなって。そんなふうに自分がなるなんて思いもしなかった。物語に読んだだけだったが
「え、っと……?」
「静、俺以外に触れないでくれ。触れさせないでくれ。……本当は話すのもいやだ」
いやおい。それは無茶苦茶だ、殿下。部隊を
それはすごく、めちゃくちゃ不自然。将軍でありながら常に間にひとを介するってどんだけ人付き合いの
嫉妬、した? え、私が厽岩将軍と気さくに話していたことに対して、だろうか?
あの程度で
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