七九話 思わぬところで武具入手
陛下のお話では晩年
まさしく戦の鬼。……ああ、それで? 私の
それがとても自然で、なんだか陛下らしいと思えてしまった。殿下も
陛下の父は
月もあやかしで膂力に関しては人間なんぞの比じゃない筈だが彼女は
男性体で水性の鬼妖に
「
「もったいないお言葉です、陛下。では、お借りし、いえ、ありがたく
陛下は
もしかして、ずっと、後悔だったのだろうか。あの時語ってくれた言葉以上に大好きだった父に息子の存在を
そうだとしたら、悲しいな。
孤独。そう在りたいと望む者もあらば、望まず孤独に
そう、在りたいと願う。人間として生きることは
寄り添って、沿いたい。浩という偉大にして
わからない。私には親なんていたことなかったから。ただ、そうだなあ。感覚としては人間が二匹、私の肉体をつくって捨てたのを浩が拾って
だからか、私はどこか
けっして人付き合いが面倒臭いだのじゃないとは思うようにしているが、怪しい。
我がことながら非常に、怪しいのだ。
「我が軍が出陣するとしてもまだ一〇日は見ておいていいわ。他の国々も
「はっ」
「……。ねえ、静。あなたが羨ましいわ」
「殿下は違う方面で文句しそうですがね」
「そうね。自分で発案しておいて、ね?」
違う方面。私が怪我をしたら云々だろう。戦で軍を動かす将となることで殿下の
でもね、殿下。心配してくれるのはありがたいけど私はただの、たかが人間に負けるつもりない。なにせ私は鬼の娘。なにせ私はあなたの后。なにより、私は隣にいたい。
あなたの隣で生きたい。はじめて気持ちをくれたあなたと少しずつでもいい、歩んでいきたいと心から願っているので。そこを疑わないでほしい。この心に宿る芯の強さを信じてほしいと望んでいる。これが私にできる精一杯の言葉ならぬ愛情の表現ですので。
言葉、だなんて嘘臭い。言葉は弱くて強い。
そう思えてしまうからこそ。殿下も私の思想に共感を示してくれるのか、初見時よりは愛の言葉は減少傾向にある。本当のところはどうなんだろう? 言いたいのかなあ?
わからない。まだまだ他人同士だもの。家族以上に、親以上に強く深く繫がっている浩に殿下が劣ってしまうのは致し方ないことであろう。……まあ、納得できんと思う。
本当に殿下は愛が重、もとい深くてずっしりクる。当人に悪気も悪意もないんだとはわかっちゃいるが、こうもアレだと先々が恐ろしい。まさか、だが
いえあの、殿下がどうのこうの、ある意味どうのこうのだけど、でもうわああ!?
「まあ。どうかしたの、静?」
「いえ、あの少々違う心配が湧いてきて」
顔にでちゃっていたようです。でもま、いざとなったら、
戦の話。そうした
でも、禁軍。禁軍かあ。どんな
あまり荒くればっかりでは困るけどだからと細いのばっかりでは話にならない。
と、いうのが私の認識だった。そして、それはあながち間違いでもなかったわけだが正確にはちょこーっと「あれ?」な者がわりかた集まっていたのを知るは翌朝でした。
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