七三話 ゴミクズに我が水の天誅を
私の思考が
ひく、とひきつった表情。私が本気で怒った時の、月が「悪鬼、
「ほらあ。殿下ってえ、女のよさがわかっていないというかあ?
「言えるな。私のところの
「と、いうかあ、そんな方が次期
その女の隣にいて女の言葉を笑っていた死に化粧の女も遅れて濡れる。濡れる、という現象を見て三妃が見たのは――当然、私だ。私は
いい加減、我慢の緒が、堪忍袋が限界だった。笑いのツボが吹き飛ぶほどに
「ジ、
「口だし無用に願います、陛下」
「……。ええ、よくってよ」
私が今度は妖力水をつくってふたりに差し向ける。緩やかに手を向ければそれだけで水たちは腐った花、元花たちにぶっかけられていく。ちなみに
一応「お大事」な顔にはかからないように体各所にぶつけてやった。それだけで充分えぐい仕様なので、私は円扇の陰でふん、と鼻を鳴らして笑った。ざまあないこった。
びしょ濡れの女共。妖力水が当たった箇所はボロボロに溶け崩れているありさま。
これを見て、いつも
これを守ってください。と、口酸っぱく言った理由がわかったのだ。衣服が焼けるジュウジュウ、という音。妖力水がうっかり、触れてしまった肌はたちまち
妖力水はどこまでいってもあやかしが本来は攻撃の為に編みだしたのの
「きゃああああああっいだひひひいっ!?」
「ああ、あ、あああ゛あああああッ!!」
妃ふたりの、もっと言って
私の怒りはまだまだ晴れていないが、このくらいにしておかないと暴れて
妖気でついた怪我なら妖気を使い簡単に癒やせる。ただし、このふたりには必要ないったらない。この醜女、もとい豚二匹は言ってはならないことを言った。罰が必要だ。
殿下のことを決めつけて、
そう確定して円扇陰で口角を吊っている私に月の声が聞こえた気がした。「憐れというか気の毒というか。まあ究極の阿呆よなあ。くわばらくわばら」なる呪文もどきが。
くわばら、ってなに? ってのはいいか。
「失礼。手が滑りましたわ。ああでも醜い
「は、はあ? はあああっ!?」
「あら、「素敵な」お化粧がまばらに剝げて不細工に研きがかかりましたわね。でも、すさまじくお似合いでしてよ? 名も知らぬお醜女豚二匹様方。その
「貴様、いったい……っなにを!」
「はい? 目の前に現れたこれまで見た中で最たる穢れを洗浄しただけですし、文句を言われる筋合いはありませんわ。だって、ねえ? 汚らわしい泥が如き言葉がバンバン飛びでるんですもの。穢れと
努めてやんわり言葉を返しておくが、それでも口調が
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