七二話 ああ、なるほど。クズだ、こいつら
それはいかん。それはさすがに失礼だ、初対面ででももう我慢が、限界超過して。
ダメだったらダメ。わかっているがそう言われるとひとは敢えてしてみたくなる。そういう
てめえばっかり
これを
皇后陛下は目を半分閉じ、それによって視界を半分にしてふふ、と穏やかを装っているがこれ内心はどうなんだろ? ……爆笑でしょうか? それとも失笑でしょうかね?
畜生。
「ところでえ」
ぶふっ。
勘違いすごい。私が言えたことじゃないがきちんとうつる鏡を用意した方がいい。
そして、自分自身と正確に向きあった方がいいと思います、私。てかこの化粧でよく
どうか、殿下が選んだ四夫人たちがまともでありますように、と願うばかりだよ。
そうじゃないと私がもし仮に、万が一
「そこのはあ、誰ですのお?
「あら。事前に通達をやった筈ですよ。このコは息子、
「ええー? あの殿下があ? 本当に選んだんですかあ、皇后陛下~? だってえ、嵐燦殿下ったら一向に妃ひとり決めるのも渋っていたじゃないですかあ。てっきりねえ」
てっきり、なんだよ。思ったが直視するのはきっつい
なにせ、化粧が
ねえ、と同意を求めたのはあの死に化粧かよって妃の方へだった。彼女も同じような
「てっきりい、
「ああ。ひとり遊びとかな」
……ねえ、キレていいか? 殿下が、なんだって言っただろうか、このクソ
衆道趣味? ひとり遊び趣味? そりゃあ私は殿下がどういうご趣味をお持ちかなんて正確に存じない。引いちゃうような趣味
さすがに、そちらの趣味はないとわかる。じゃなければあんなにまっすぐ私を想ってはくれない。それに衆道趣味ってもしかして
ただ、殿下は自分が本当に信頼できる女を選びたかっただけ。支えてくれる
しかも、ひとり遊び? ああ、こいつか。殿下が言っていた四夫人――現上尊四夫人の中で殿下に
てめえこの
ふざけんな。ふざけんな。ふざけんなッ!
てめえらの歪んだ目で殿下を見るな。殿下は絶対にそんなひとじゃないんだよっ!
これも私の
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