六九話 いざ、ゆかん。茶会の場へ
「さ、これでよかろう」
「うん。ありがと」
「……ずいぶんと感謝が楽に口衝くようになったのう、
「むしろ、女として以前にひととしての問題だったような気がするけどな、私的に」
ひとつだけ指摘しておく。女だなんだ以前の問題だったと思うぞ、だって感謝も謝罪も苦手って相当危ないひとじゃないか。ひととしてまずい、と今となっては感じるね。
女としてなら私よりうんと経験値がある。一〇〇〇年以上を生きてきた経験が。それも男だけでなく女もすべからず手玉に取ってきた
その月がある意味、感心しているのであの頃よりは女経験値があがってきたということなのだろう。あとは殿下の
正式に決まる。
私、朝っぱらからなんの想像を膨らませているんだろう。変態かよ。だって、だって今ですら、殿下が夕方帰るのを渋った時なんかは決まって
曰く「静の心の準備を待ちなさい!」と比喩抜いて尻を蹴飛ばして馬車に乗せて。
我が息子とはいえ皇太子にいいのだろうか、それってば。なんて考えちゃった日もあるが心の準備、かあ。それって夜を共にする心、ってことだよね。つまり殿下に……。
はわあ、恥ずかしいっ! なんということ私、私なんかがそんなことするのか!?
っていうのももう時すでに遅し、なんだろうなあってか真っ先に気づけよって話。
そいで、気づけばお招きの時間が近づきつつあったので早めにいこう、ってなわけで月にあらかじめ時間指定して頼んでいた馬車をまわしてもらうようお願いし、
ずっと隠して生きてきた。誰にも見られたくなくて誰の顔も見たくなくて。鬼の
「静」
「
「ええ。ばっちりよ」
「つっかえず言えればさらにいいのにね」
「
「ち、違っ、ダメなんて言っていないわっ」
どっち? 幾度となく授業の度に思ったけど美朱様ってなんか妙につんけんした態度を取るのに即「違うから!」と訂正を入れてくる。ので、私はいまだにはかれずいる。
この方の真意とはなんぞ? なんて思っていると四阿からくすくす笑いが聞こえてきたのでそろり、と覗けば予想通り。皇后陛下がいて、一番奥に座って微笑ましそうに?
はて。どこに微笑ましい要素があった? 私が素でわからずにいると美朱様がなぜか慌てだした。その美朱様も桜綾様もお肌の状態は良好のご様子。前回、一昨日と昨日。
なんだか定番になっている気がする
皇后陛下にも提案しようかと思ったが、これ以上は私が疲労で
そう思ってわざに
庭園にはまだ先述の三人しかおらず、あとのふたり
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