六六話 目覚めた時の不思議な感覚
「……
ふと、目が覚めたと思ったら私の口はそんな言葉を、とある者の名を唱えていた。
ひとじゃない。かつてこの世を
私の中にいる、ひと。なぜ、
会いたいのだろうか。
心配だったのだろうか。これまでの私を見ていて力添えをしてくれていて、でも守るに守れなくて
だから、私も
アレから、私が
ようやっと
私のモノはなんか知らないが、ほんのちょっとも妥協したくない! そう
その装飾品は現在、特別頑丈で私の妖気で解錠できる鍵付の
こちらの用心は私が頼んだ。殿下がそこまでこだわらせたものを盗られでもしたら申し訳が立たない。妖気式の鍵にしたのはこうすれば私以外に開けられないからだった。
まあ、そもそもがこの後宮で妖気を帯びた人間というのも私くらいなものだけど。
念を押しておいても損はない、と思う。私は目覚めた
重い。さすが本体部分が
この宝石だけで目ん玉が飛びでるほどであるのは言われなくてもわかっているが。
こうも贔屓、
そんなくだらない心配をする私だが、なんとなくでそれを手に寝台に戻ってきた。
そのまま寝台脇の机に置いてある
どこに?
殿下は最後の最後会った時も反対していた。特にアレだ、あの
でも、そういえば皇后陛下もあまり招きたくはないが、とつけ加えていたっけか。
ただ、私を、殿下が
よほどその徳妃、いや、殿下が四夫人を選んだ今となっては
彼女、会ったことはないがその女性の方が殿下より早く後宮にいて、その殿下が言う
まあ、気にはかかるが。あの潔い殿下がああも食いさがってぶちぶち文句、大文句垂れるほどのおそらくは、ある意味で素晴らしい性根、というのをお持ちなのだろうし。
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