六〇話 あー、へー、うん。私は無縁なので
私が
どう、かしたのだろうか。もしかして義務で私を誘ってくれたけど本当なら茶会なんてどうでもよかったとか、本当は他にやりたいことがあったとか、もしくは具合でも。
「皇太子よ、その顔をやめんか」
「こんな顔にもなるさ」
なんだ。やはり、私と差し向かいでの茶会は大変な苦痛を伴うものなのだろうか?
が、私の心配と不安は殿下の次なる言葉で吹っ飛んでいった。殿下は苦々しく吐き捨てるように
「
「……あー、お疲れ様、です?」
「
「? 構いませ、ってわっ!?」
一息に大量の文句を垂れた殿下は私に一言断ったかと思ったら私の前で少し膝を折って私をぎゅ、っと抱きしめてきた。ええええぇえっ!? なに、ちょ、殿下ご乱心!?
そう焦った私の腰を抱きしめる殿下の男らしく逞しい腕はどこか甘えて
不思議に思った私が
「あの、これの意味って」
「お前の存在で安心したかった。あと
「?」
「今日面談に来た
「はあ。化粧品って
「は? 静、お前は化粧をしないのか?」
「しない、というかできないというか」
そう。
美朱様が
こんなこと、ある!? と言いたげに。せっかくの綺麗なお顔がすさまじく残念になっていらしたが、その美朱様を間近で見て、思いついた私は手を
日光のせいで肌がお疲れのようだったので一度化粧を落としてもらっていつだったか
そして、私の顔を見て深々と息をつきはしたものの、しばらく
で、結局私に化粧をするのは労力と化粧品の無駄遣い、という結論にいたって別の授業をしてくれたわけだが、帰り際「あのお水、化粧水にしていただけないこと?」と。
まあ、なんともちゃっかりとしてしっかりしたおねだりをされたので私は美朱様がおひとりでしても大丈夫な濃度まで妖気を薄めて美朱様が寄越した空の
美朱様はご機嫌よろしく私に効果的なお手入れを聞きだして爪にも効果があると聞くなり即行で爪に筆で極低濃度の妖力水を濃度が低い分重ねて塗り、手入れしてさらに頬を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます