五三話 触りの授業(?)をちょこっとだけ
「……。やれやれ、ほんに自己肯定がなさすぎて困る主人ぢゃのう。
「だ、だって……っ」
「
「……お世辞だもの」
「かーっ
言うが早いか、
なので、私は知らない。月にお仕置きされていて気づけなかったが、この時、
三人が目を丸くしたのは見たけど、そのあとの反応、というのを見ていなかった。
しばらく月のまさに
なった、ものの。なんだろう、視線が痛い。ピリピリチクチクビリビリジリジリといったような、悪意ある感じじゃなくてこう、なんというか夏の激しい
それが室内に立ち込めてというかただよっているもんだから私は肩身が狭い心地。
「静、あなたの二人称は長年のそれで染みついたものでしょうが
「あ、は、はい。努力します」
「うふふ、それにしてもあのコ、ああもう」
「こ、皇后陛下?」
「いいえ。お気になさらず。我が子ながら美への意識や潔さ清さへの基準が厳しいことをなぜでしょうか、少々どころかおおいに誇りたい心地でございますのよ、静。ね?」
「? えっと、息子自慢ですか?」
「うーん、ちょおっと違うかしら」
もう、ね。私は疑問符のお花畑で「うふふ、あはは」と
だのなんだかんだと珍事、私的には
私は退室していく
陛下は始終にこにこしていた。その笑顔がなぜか「いいものを見られたわ」という
だって、
なんで、月は私の正しい判断を「
謎。そこはかとなく謎だが、月はといえばその私の見え具合こそ意味不明らしい。
ええー。そんなもんてめえのよいしょだと私が気づかないと思っているのか、ってくらいあまりに堂々と、それもなぜか月こそが自慢するように語るもんだから当然疑う。
で、書き留め終わった私は早速皇后陛下に一礼して室をでるのにそろり、と身を
「今日も暑かったわね、静?」
「え? え、ええ、はい……?」
「と、いうわけで近いうち
なにがどうしてどういうわけ? と訊きたいのをぐっと堪えた私は結構偉いと思うんだが、皇后陛下が振ってきた話題になんとかついていこうと試みる。茶会を開く……?
それは、どうぞ。自由になさってよいことだと思うのだが、気のせいであろうか?
背筋に悪寒が走っていくような気がするのは。気のせいにしてしまっていいかな。
なんだろう、そこはかとなくいや~な予感がするんだけど、流しちゃ、ダメ、なんだろうよ。そうだよね。うん、わかった。わかりましたので早いところトドメを刺して?
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