五〇話 一通り揃えたというか選んでもらった
いや、流れ的に服、なんだろうけど。広げてみて私はつい「おやあ?」と首を傾げてしまった。なぜにいきなり
そりゃ、ぺったんこじゃないが、それでも
こんなもの着たって貧相がカワイソウな感じになっちゃうだけだろうが。でも仕方ないし、裸の隣でいつまでもいるわけにいかないので着る。始終教わりながら、だけど。
で、最後に帯を胸のところできゅ、と締めていると装飾品担当のお姉さんたちが走って帰ってきたと思ったらとっても高価そう、というか絶対目が点になるくらいお高いだろう、それこそ最高級に分類されそうなそう、
もはや確認されることもなく、有無を言わさぬ勢いだったので流されておいた。逆らっても怖いし、時間もあまりかけたくないし。だって、現
待ってもらっているんだよな? だったらくだらないことでまごついている場合じゃないだろう、とものわかりよいフリをして着飾られていくが、そこまででもなかった。
優雅な金細工の
淡い色味だが綺麗な色の織りなしによって湖の水をすくってきたような絶妙な色の衣は一応あることはある胸をささやかに
衣と装飾品だけでこれほど変わるのか、と思ってしまった。斉胸の服に使われた色が青でも緑でもない絶妙な色であるのは意味……あ、
でも、それがまた金細工で飾り立てられていて正直にまあ、綺麗だな。あの
「一気にお
「
「おお、怖い怖い」
いや、てめえ絶対怖がっていないだろ。
私としては顔が隠せるならなんでもいいけど、そうだな。これからはこういうのを使う方がいいんだろうな。殿下の
でも、これってば必ず片手が塞がるのが難点だと思うのは長年両手が自由な
悩ましいけど、これから上級妃と皇后に会うならせめて見た目だけでも后候補らしくいようか。
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