四三話 皇太子の私自慢、って公開処刑か!?
なのに、
「まずは顔立ちが好ましかった。そして、中でも瞳に
思わず、閉口してしまう。な、にを恥ずかしげもなく言っていやがるんだこいつ。
たしかに一部を除いて当たっているけどでも、それをそのまま言っても
漆黒の瞳がキラキラ輝くのがなんだか大型の犬でも見ている心地になる。夢見るように皇太子、もとい殿下、とでも呼ぶか。殿下はちょっと引き気味の
私の美貌というか、美しさのほどってのを。熱く、
放っておいたら燃えあがるんじゃねえか、ってくらいの熱を持った声と言葉たち。
「たっぷり
「う、うむ」
「白い肌だがほのかに
「あ、ああ」
「そして、なにより瞳! あんな美しい宝石もかすませる瞳を俺は生まれてはじめて見たのだ。これまで
「ほ、ほほう?」
おい、ヤバい。月が、
よかった、私に向けられなくて。……や、
なにしろ、鏡を見てこなかったもんだから。アレは、いつくらいからだろうか? えっと思いだせないくらい昔から鏡、
そこで、私は一応確認してみる。
「夢でも見てい」
「あんな
涼しげな、この猛烈な暑さと殿下の熱気で
音がすごく綺麗だったことから混ぜ物なしの
おそらく
「ああ、これだ、これ」
「失礼します。茶の各一式と茶
「置いてさがってくれ。くれぐれもここに
「承知しました」
いや、え、ちょっと? あの、すごく軽く
ああ、まあそこは殿下と彼らの信頼で成り立っている部分なのだろうし、私が口を挟むことじゃあない。ので、私は
いろんな茶葉が少しずつ紙の袋に
おもてなしの極意。とでも名づけようかなあ。そう、私がアホなことを考えていると戻ってきた殿下が
つまりなんだ。茶と茶請けを選んで一緒に茶をしようってことであっているかね?
私は首を横に振る。散々暴言吐いておいてこの上もてなされようと思える鉄面皮じゃないもんだから。だが、殿下はしつこく私にどの茶がいい、どの茶請けがいい、と問いかける。そんでもって極めつけに
「鏡を、見てみないか?」
「絶対いやだ」
「静、見ればわかる。恐れる気持ちはわからなくもない。それでも見て知ってくれ」
「なにを?」
「お前の美しさを、だ」
おい、月。こいつまだのろけ、のろけ? というか妄想に浸っているっぽいけど。
どうしたらいい? どうすれば。が、月は殿下の
私の
これに殿下もだが月も困ったように笑う。それは、本当に困った者を見る苦笑で私がこれまで浴びせかけられてきた
優しい
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