四一話 装飾品々をぶちまけて、怒り爆発させて
引き抜いた
散った小花。割れた黒い
ただただ、
所詮本性は変わらない。
あの
本当に私なんかを気に入っているわけないというのに。私はこの
支えられるわけねえだろ。だいたい、支えたいと思わない。あんな身勝手な野郎。
私にできることなんて、なにもない。ちょっと水の扱いに秀でているそれだけだ。
「室内のものは壊すでないぞ?」
「っるせえな、わかってんよ」
「……悪い話ではないと思ったのだが。ようやくぬしをまともに愛してくれる者が現れたのぢゃから。
「ちっ、なに言ってんだ、
「
「んだよ?」
「先から扉の向こうで固まっておるわっぱがおるのだがそれでも続けるほどかえ?」
月に指摘されて私はハッとしたが、吐いたものは戻らないのはもうわかっている。桜綾様の時に思ったから。でも、今回は事情が違う。だからなんだ、くらいは言いたい。
なんなら面と向かってでも言ってやりたい。てめえのせいで私の惨めさは研きをかけられたのだ、と。発令するなら、慎重になれよ。当たり前だろ。ただてめえらに害がないからって安易に発案されたものを声にしやがって。私が扉を睨むと開けられたそこに。
先ほど別れるまであった機嫌が
へーへー、
そんなもので私の
「んだよ?」
「すまなかった。そんなつもりは」
「そのつもりがあったら怖すぎるっての」
「俺の未熟さにつけ込まれた。わかっている。俺の
「だから、なんだよ。もう私は腐った故郷でもないあの
そこでクソ皇太子、
面倒臭い。身の上話なんてどうでもいい。さらにはそれをこの野郎にだけは憐れまれたくねえ。だって、全部、こいつのせいだ。凶作は
その自覚、ねえだろう? どうせてめえらは手を汚さず、令だけ発していれば飯が食えるんだ。いいご身分だことで。私はふん、とそっぽ向いて無様な皇太子を無視した。
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