三七話 鬼面に秘された美貌の主は初の例外
忘れてほしいだの汚いもので俺の目を汚しただのと意味がてんでわからんことを。
最後の方の声は本当に泣いているのではないかというくらい震えていて、この娘が心から恐怖しているのが痛いほど伝わってきた。自らを汚い、そう
なにを言っているのか、わからなかった。この娘はなにを言っているんだろうか?
そして、やっと顔をあげた娘がつけていたのは恐ろしい鬼の形相を
そのなんと
自らの顔が汚らしい、醜いと思い込んでいる。貧しい
自身の醜い
美しく、綺麗で神々しい。そんなふう
特にここ、
だから、はじめての例外。自らの美を売り込むどころか自分自身のすさまじい美しさを知らないのか、と訊きたくなった。神々の
はじめて覚えた「愛おしい」という情。なんて
他の女にはきっと抱かなかっただろう情。俺が見てなかろうと見ていようと美しく装った顔や身なりを台無しにするほど
そんな
放せ、と嫌がる娘に一応確認を取る。衣の色は白を
嫌がるこの娘は恐ろしい鬼の面の下で、果たしてどのような表情をしているのか。
俺のことは見回りの
それこそ違う。間違っている。この悪意と
それがなぜ醜い? ありえない、そんなこと。ああ、今ここで手に入れたい。俺だけの
そんな胸の内にある獣を宥めて俺は
まあ、こんな
それがここまでとは。水のように清く妖艶で美しい娘の名を口で転がし、宣言しておいた。忘れはしない、と。そして、あのあやかしは相当に
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