一八話 コラ、てめえはなにを要求している?
「さあ、着きましたわ。
「ふうん」
「なんぢゃ、気のない」
「気乗りの「き」の字もねえからな」
私の態度に月はやれやれ、といったふう、頭を振ったが気持ちを切り替えたというかずぅっとうずうずしていた様子で
あの湖にでた巨大
だが、だからといってあの、えっとヨーリ? とかいうのを湖から切り身にしてもいいから持ち帰らせろ、と要求するのはどうかと思う。特に桜綾様たちは喰われかけたってことをうっかり忘れていやしないか? 色気もさることながら食欲も突出しているな。
アレだけ食って太らないのは
「はあ、陛下がどうおっしゃるかですが」
「ふふ、一口食えばどれほど滋養
「まあっ」
……え? あの、もしもし桜綾様? なに月の
なんと退治したあやかしを
ゆでると水の
そんなゲテモノよく食うよ、と思って私がもらったものは月にやった。月は「人間の方がよほど恐ろしいことをする」と言っていたが、同意せざるをえなかったな、うん。
と、いうわけで桜綾様? そのアホ
この宮の主である桜綾様に意見するのも、口を利くのも
話を整理するに
そんな
……。って、女性の歳を真剣に計算しようとするな、私! でも多分だけど三〇を超えて少しってところだろう。だったらまだまだ精力も溢れているし、相手にされたい?
「ね、ねえ、あのね、静?」
「あ?」
「静は私よりお姉様、よね?」
「お姉様、とかやめれ。不気味さに怖気が背を走っていった。私は十八。それが?」
「私、今年で十四なの。そろそろ
「は、はあ?」
「静は
「……見えるか、私が。そんなふうに? 目に異常があるとしか思えんぞ、それは。そういうことが知りたければ月に訊け。あいつならそういうの、
話が見えなかったが、どうやらこの
そりゃあ、十四といえば歳頃だし、体の方も母に似たのか育ちよさそうだし、興味があるのは理解してあげるが、それを私に訊くな。どう考えても、考えなくてもわかるだろうが? このこれで男が寄りつくとかありえない。無愛想で
これで男がわらわら寄ってきたら怖い。それに私はそうしたことに興味ない。恋も愛も親しみすら知らず育った。だから、誰かに恋するとか、誰かを愛するとか意味不明。
愛の果てに子をなす、というのもたいがい理解しがたい事象であると言える。私、私なら自分を痛めつけてまでして産んだ子を
あの邑に無関心さから捨ててきた両親に愛も情もないのはたしかだ。両親とてそうだろう。あのあと、私のあと、凶作が去ったあと、新たに子をつくっていたようだった。
そのコたちのことは可愛がって、目一杯愛情を注いでいるふうに見えた。だから結局私は要らなかった存在でしかなくて。その時感じた空虚と虚無と絶望は計り知れない。
要らない。少々の
知らぬのは教えられていないから仕方ない。でも、実の弟妹たちに「
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