一四話 世間話しつつ。花街を臨みつつ
「ジ、ン様はどのような
「
「あ、はい。それで、あの水のなにかをお従えでいらっしゃるから月をさらに仕えさせられない、ということであっておりますでしょうか? それとも、なにか
「いいやあ、なんのことはない。こやつのこれはただただ意地張っておるだけぢゃ」
答えにくいことを訊くもんだ、この
私が彼女のようになれるなんて思っていない。想像したくもないっ。気色悪いことこの上ないじゃないか。私が、
私が不穏と不吉の象徴である鬼を宿す代わりに強大な力を操れるのと同じように。
まったく違うけどある意味同じ。幸が
陽が強すぎても、陰が強すぎてもダメ。それはなんとなくわかる。理屈じゃなくてなんとなく、本当にぼんやりとだけ理解できる。強すぎる片割れは双方を崩しかねない。
対極にある力だからこそ、正しく運営されねば先に待つのは
とと、
……
金銭感覚がバカになりそうな価格設定だ。店を切り盛りする経営者がやり手なのかもしくは強欲なのかはたまたそれこそが適正な価格として女を価値あるとしているのか。
女に
幸いなこと。私は浩が中にいる穢れ者、
「静は花街をはじめて見るのかしら?」
「ああ、まあね」
私が窓の外を熱心に見つつ浩に思いはせていると
それか、桜綾様がすごいだけだろうか。
いやいや、比べるのは失礼。比較なんてもってのほか。相手は
普通は叩いていいもんじゃない。私にそれが今、許されているのは私がこのふたりの
――汚らわしい。鬼。穢れ者。醜い。
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