一一話 なんなんだこの急で変な展開は!?
「……。旅を、しておるのか?」
「は?」
「いや、この辺りに住まうにはずいぶんと変わった衣をまとっておる。農作業に向くでもなく、かといって貴族のように
「旅は、しているけど」
ざわ。周囲がにわかに騒がしくなる。ん、
ぶっちゃけあの親子を助けた恩を着せて、口の利き方云々の無礼は見逃せと主張しておこうかと。そこで皇帝の目が私の
「このような場では満足に
「いや、そんなことは」
「後日、
ぉうふ。まさにまさしく危惧したままの勅命がくだってしまったが、どうしよう。
が、
あの
そして、私も。
日々の
そんなようなことを言っていた。そりゃあ、あやかしである月にはわからないさ。
いつだって
傷つかなかったと言えばそれは嘘だ。自己満足でやっていると
私だって心のある人間だ。ただ、都合と偶然と奇跡が私に幸運と不幸をもたらせたというだけで。私も、人間として誰かに認めてもらいたかった。頼ってほしかったのだ。
心から願った。いまさらただの人間になれるとは思わないが、それでもひとで
だからこれは罰、なんだろうか。淑妃の下にて寝泊まりしろ、ってことは私に
それはなんて、皮肉な罰。醜い、汚らわしい、そう
私はひとを害したわけではない。助けた筈だ。なのに、なぜこんな罰を受けねばならないのだろう。わからない、わからない、わからない。助けて、助けて、助けてくれ。
……誰に願っているんだろう? 浩は助けてくれないし、月だって同じく、だろ?
「よいか?」
「……」
皇帝陛下の声は
きっとこの
皇帝陛下はしばらく私の無言と俯いたままの頷きを見守っていたようだが私が助けた
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