九話 避暑のお貴族様。殺気。引水不良原因
「
「そうですよ。遠慮せず涼んでいってね」
朕、って。これってばごくごく限られた
高貴なお
この
だけど、新しく来た者たちは私たちに遠慮するな、と示してあちら様こそこちらを気にしたようになく湖遊びをはじめてしまわれた。なんか、もう私たちが場違いな感じ。
最高級の
他にも車それぞれから女性たちが降りてきて
私と月のそばには最初、声をかけてきた男女らが近寄ってきて、私の顔、鬼を
まあ、ね。貴族様が顔を面で隠す娘っ子なんて見るわけないし。当たり前、かな?
そう納得して私はそっぽを向くのもなんなので湖に顔を向け、立ちあがった。なになんだこれ、急にこんな濃い妖気がどうして。それは月も思ったのか私の前にでてくる。
男女は私たちが急に身構えた方にびっくりした様子でいるが、構えない。この感じすごくいやだ。まるで
いったいどこに隠れているんだ? だがそこはさすがに本物。月が見つけて叫ぶ。
「アレぢゃ、
「は? その方ら、なにを言っ」
「黙りおれ! さがるのぢゃ!」
月の
悲鳴。
伸ばされた母の手の先、彼女は湖の深い場所に吹き飛ばされて落ちる。母たる女性は我が
その
巨魚あやかしの巨大な体が貫かれた勢いのままに地面に落ちた。女性はその場でへたり込んだが、すぐに娘を案じて立ちあがろうとして転ぶ。その先の光景は異質そのものだっただろうな。湖の水が
きょとん、とぽかんとした
そっと、頬を張ってやると叩かれたのと水に沈んだ恐怖あとは鬼の面の私に驚いてぐすぐす、と泣きだした。月が迷惑そうに耳を塞ぎ、見苦しそうにするので私は彼女を支えて水からあがってきた母親に
そして、問題になる、される前に離れようと思ったのだが、月がいない。どこいきやがったあの狐!? そう思っていると例の巨魚のそばにしゃがんでいたので引っ張ったがすっごく抵抗された。なんで? とか疑問視したのは彼女の口元を見る前までだった。
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