第31話 山菜の日/『地産地消の恋』

地産地消を謳う食堂で、山菜そばを注文した。

「同じ値段なら肉そばの方が得じゃねぇ?」

滋味を感じられない貧しい舌の方が損している。

三年前に初デートで来たことも、山菜そばを「おいしいね」と一緒に食べたことも忘れている彼。

この地で産まれた恋ならば、ここで消えるのもいいかもしれない。




◆3月31日は「山菜の日」/2024年3月31日作

#140字小説 『地産地消の恋』

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自主お題で140字小説集/#今日は何の日?【ジャンルごちゃまぜ】2024年3月 想田翠/140字小説・短編小説 @shitatamerusoda

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