メイキングオブ書き出しが『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』になる短編小説
@titanfang
第1話
わたしには三分以内にやらなければならないことがあった。
書き出しが『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』になる短編小説を書かねばならない。最低文字数は800文字だ。
いや、無理でしょそれ。3分だよ?
3分は短いよ?短い。とてもありふれた例えだと、カップラーメンにお湯を注いだ後の待ち時間で短編小説を書き、書き終えたら混ぜて食べなきゃいけないってことだ。
いや無理だろ、絶対。確実に伸びる。伸びてしまう。まぁ猫舌なので、伸びて冷めたカップ麺は嫌いではない。噛む必要も少なくなるし、汁を飲むときに熱くて火傷するリスクも減らせる。
それでいいじゃないか、3分間。概念としての3分間はカップ麺が出来るまで。故に書き上げるのに30分かかったとて、伸び切ったカップ麺を美味しく啜ればそれで良い。麺が伸びるか文章が伸びるかの勝負である。そうね、伸ばしてるんだよ文字数を、こうやって。熱湯を麺に注ぐようにさ。
などと、上手いこと言ってるうちにほら半分だ。400字まではなんとか埋めた。3分間と言う縛りも、もう有耶無耶だが、取り敢えず走ってみるしかない。そもそも妄想するのは好きだったが、作文は苦手だったんだ。
なんで書いてるって、そりゃまぁ周りがお祭りだったからちょっと乗ってみたかっただけで。ほら、こういうヒネた角度からのネタで攻めてみて、自分は変わり者だろ?などとドヤ顔したかっただけなんだ。
そんな安易な考えなど誰しもが思いつくに違いない。わかってる、あぁわかっちゃいるさ。きっと気取った同案多数の中に埋もれて、またこれかよと適当に読み飛ばされるに決まっている。そんなもんさ、嘘じゃないさ。夏の恋のように幻に終わるんだ。いつもお前はそうだ。誰もお前を愛さない。
それでもよく言うじゃあないか。まずはちゃんと完成させろ。書かないやつより書いたやつの方が偉いって。例え途中でいきなり全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れにぶっ飛ばされた方が面白くなったとしても。
…あっ、なんとか800字超えた!やったぁ!
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