とにかく読んでください!「〇〇」という伏字を生かしたお題の消化方法も秀逸ならば、漫才のオチと掌編のオチが重なるラストも見事すぎます。漫才のネタではありますが、耳から聞くのではなく目から読む小説だからこそ活きるネタなんですよね。作中で笑う観客と一緒に、あなたも必ずニヤリとしてしまうはず!
第一回KACお題「○○には三分以内にやらなければならないことがあった」に、数多の作家が頭をひねる中、○○を○○のまま書いた作品がある。それだけではない、○○だけじゃなく××だってあるのだ。何を言ってるかわからない? 読めばわかる。読めば分かるさ。同じお題で参加した仲間としては、「三分以内でしなければならないこと」をすぐに明示せず、非常に良きタイミングで出してきた手腕に痺れました。漢字の読み方の奥深さにも、ありとあらゆる意味で気づかされる一作です。