第2話
いつも通りの朝が来た。
目覚めてからしばらくぼんやりとして、段々と意識がはっきりとしていく中で、(ああ、朝か…)なんて当たり前のことを思う。
ん?朝だよな?
何かを忘れているような気がするのだが、寝起きの身でそれを思い出すには血圧がたぶん足りない。
もっそりと状態を起こしてカーテン越しに窓を見て、それからスマホから時刻を確認した。
「あれ?なんで生きてんだ?」
あまりにも自然にいつも通りに目が覚めて、いつも通りの行動を開始していることに、なぜか違和感を感じていた。
それでもやはり思い出せないから、しばらくぼーっとする。
なんとなく、何時もより眠たいような気がして、大きなあくびがでる。
ああ、そういえば隕石が落ちてくるんだった。
意識がはっきりしてきてようやくそのことを思い出した。
「あれからどうなったんだ?」
スマホを起動して、SNSなどで隕石と打ち込んでみる。
「なんだ…?」
昨日はトレンドをぶっちぎりで1位になっていたのに、それらしい投稿が一向に見当たらなかった。
何度かスクロールしても隕石に関わる投稿は見つからない。
狐に化かされたのだろうか?
あれほどはっきりと記憶に残っているのにそんな事があるだろうか。
引き続き人類滅亡など、検索ワードを変えながら昨日起きたことについてウェブサイトを漁るが、手がかりすら掴めなかった。
「そういえば、母さんに隕石落ちるらしいって送ったはず」
トークアプリを急いで確認するが、身に覚えのない会話がやり取りされているのみで、やはり隕石のことについては何も残されていなかった。
まるで、隕石が落ちてきた事自体がなかったことになっている。
「どうなってんだ…?」
コズミックデーモンズ べっ紅飴 @nyaru_hotepu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。コズミックデーモンズの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます