対ロボット格闘術

市街を自転車で全力・・・体なりの・・・で走る。


今、十五人分くらいの命が流れ込んできた。

たぶん宇宙都市防衛隊と戦闘があったんだ。


量的には・・・単位を命にすると、0.0001命・・・てとこかな。

人類の総人口が30億人の時を一人1命にしてるから、千二百兆人だとひとり四十万分の一命になる。


しわい世界になったモノよ・・・

それでも、いまだ基軸命はヒトである。

命が人のあたしという巫女の形をとったことからも疑い様がない。


まー命の巫女なんつったってやることは財・・・ユニオン宇宙中央銀行、ユニ銀と同じだけど。


人が増えたら命を減らす。


人が減ったらさらに減らす。


減らしに減らして命の交換レート的パワーを高める。

宇宙へ広がろうとするこの貪欲で果てのない行動が出来なくなる迄。



あ、財務省つか大蔵省つか真(?)一万円札の人の業績は、


「はぁ?銭こさ貰ってメシなんて食えるけ?」


というほぼ全国民が農民だった国の近代化への苦労を想像してみればフワッとした掴みが得れたような気にはなる・・・うっ、なんだこのよくわからない一人語りは・・・まさか全宇宙財務省の意思?



というワケで今のあたしには命がみちみちみっちゃん満ちている(6j略)。


でも自転車を壊しても嫌なので体力なりの運転・・・でドックへ向かっている。


宇宙都市の外郭は流石に破れないでしょう・・・という想像から。

だってあたしだって無理だよあんなん。

ひたすらストローバリア、ていうカタイ藁のカタマリをほじくっていく感じなのだ。


そう、既にお試し済み。

反抗期だったから・・・


視界のはるか先、搬入エレベーターの上に、大きな人のカゲが出てきた。


あれだ!


自転車を道の横に止め(駐禁なんて家の力でもみ消せるのよ!お小遣い無くなったりバイト突然クビになったりするけど)鍵を差す(昔は抜くタイプだったらしい・・・不便じゃね?)と、宙へとジャンプする人型・・・宇宙戦闘機に向かってあたしも大地を蹴る。


体の前面が圧縮された大気で真っ白に輝き、なにも見えなくなる。

全力の咆哮系共振絶叫128ビート高笑いで何度も弾き飛ばしつつ前方視界を確保。


たぶん、リーゼからは白い砲弾が光輪を放ちながら接近してくるように見えていると思う。


あれ?


ソラマメくらいの大きさまで近くなった姿が、急に大きく接近する。


しまった、と思った時は、テキ(仮)のリーゼという丁度人間の10倍くらいの高さ、千倍くらいの体積をもつ宇宙戦闘機を貫通していた。



これ絶対に世の理・・・宇宙書き換えられてるでしょ・・・たぶん倍数や係数あたりの設定を大きく増やされている。


・・・3.14159265358979が五兆二百六十八億になるとか?・・・じゃなくてネトゲのチートでスキルのダメージ倍率やステボ係数を弄られてるようなもん。

てゆーかそのものか・・・


円周の長さが直径の千倍とかなったらもうアニメ化出来ないじゃん!


言い訳はともかく、ドックからの搬入エレベータの上の方に着地したあたしの後ろで、撃破したリーゼが大爆発する。


重力機関を極大(小?)落下させないための自爆装置の作動・・・らしい。


爆風爆炎を背にオレンジに輝く髪を美しく靡かせているあたしは今めたくそに輝いている!

緩むカオを締めようと、無駄に眉間にシワなどを立てながら、搬入口からあらたに侵入してきたリーゼを睨む。


めたくそかっこいいよ~www(私が)

現れる敵の重機動メカ(6j)をギッタンバッタンと撫で切ってゆく美少女主人公、あたし。


正面の敵リーゼがあたしに機関銃的なナニカを向ける。


銃口が輝き、一分当たり数百発(おそい?増やしていい?千発かも!)の重粒子砲弾があたしの頭蓋へと正確に着弾する。


意外と重い。


塩化ビニールで出来た子供用の片手投げボールを容赦なくぶつけられ続けているようでなんかハラが立ってくる。


今敵リーゼのコクピットでは、広角モニタは一点に炸裂する火花の嵐、ターゲットorガンモニタには粒子砲弾を次々と受け、微妙にアタマを揺らしながらもキリッ!と音を立てるが如くの不敵な眼差しで迫る美少女のどアップ(6j・・・現役?ドレッドノート級アップスケーリングの略)がパイロットの心とハートをメタメタに連打しているハズだ。


うっふっふ、あんたらがくれた十五人の支払いは・・・


おっと、美少女戦士は雑で快楽目的の殺人は行わないよの。


よのさ。


ヨダレを拭く。

そう、これは「正義の」復讐。


尊貴たるは我らの命!卑賎たるはそなたの命!




皆殺しで死者に報いようぞ。






結局、一機を念入りに味わっているいるうちに最後の一機は逃げてしまった・・・反省。









「少佐!ギルベルト少佐!ユニオンには化け物がいます!至急の転身離脱を具申します!」


血走った目で叫ぶように報告する兵士の襟章は、少尉。

公国宇宙軍所属の彼は帰投直後の汗が匂うままのパイロットスーツだ。


「カメラは私も見たが・・・重力理論の応用のない旧世代兵器で撃破されただけだろう。落ち着けよ、スリンガー。戦果は無いが、私の評価は高いぞ。お前に敵前逃亡などの罪状は掛けんよ」


ギルベルトと呼ばれたザイオン公爵家近衛連隊所属の彼の軍服は、彼に背を向けたままながらもわかるほど、地上の時代でも中世に相当するまでに遡らねばお目に出来ないような華美な装飾に彩られていた。


「少佐!私は銃殺でもかまいません!!装甲を、肉を毟られながら逃げろと絶叫するゼニムの声が頭から離れ・・・!」


愚にもつかぬ感想を叫ぶがごとく継いだ彼の言葉は、振り返ったギルベルトの仮面の光に止められた。


「・・・検疫は白だったな。よし、スリンガー、しばらく休みたまえ」


左右に出現した細く優美な女性に肩を抱かれ、スリンガーはこれまでの興奮がウソのように力なくうなだれる。

彼はそのままブリッジより搬送されていった。



「少佐、奴の言動はカメラの映像とかなりの剥離がありますよ?」


(分かり切ったことを冗長に・・・誰に語っている?ミハイル収音分子構造体か??)

思いながらも副官の言葉にギルベルトは頷く。


「あの白いリーゼの姿が少女に、ゼニムの乗機のゾカがゼニム自身に見えた・・・というところか?」


「少女にですか、たしかに優美・・・軟弱な姿形ではありますが、そこまでの飛躍はいささか無理が」


「メディックに報告しておけ。今の私の感想、お前の感想も共にだ」


「はっ」



ギルベルトは宙空に浮かぶ映像を再び再生する。


重力理論により距離的には光速の数倍で次々と飛来する120ミリ粒子砲弾を悉く熱的現象・・・火花へと変換しながら敵リーゼの頭部が迫ってくる。


(たしかに、実戦で突然これを目にしたら正気ではいられないだろう。ゼニム、ビーン・・・よくやった。上には私の名で特進と弔慰金の増額を具申せねばなるまい)



「フ、ユニオンめ」


仮面の下の口角が上がった。

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第13話 一太、清河と再度国事を語る②

幕末日本に転生しましたが、現代知識を活かしてスポーツ振興に取り組みたいと思います/川野遥 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330649626404526/episodes/16818023212730688532


劇中の全宇宙の意思ですが他作家様の上記作品を見てそれまでなんとな~く耳に入ってきたMMTやらリフレやら財政破綻やら那須鴨のミニドレスセレブ美女団やらが何を中心に漂ってんのか見えた気がした()のでそれが漏れた感じです。





それはともかく格闘術・・・えー。体当たりと被弾しつつ歩いただけで終わってしまった・・・



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