思い付いたアイデアには三分以内にやらなければならないことがあった

逢明日いずな

第1話 アイデアが思い付く時


 アイデアが思い付く時、私には三分以内にやらなければならないことがあった。


 それは、思い付いたアイデアを消さない為だった。




 うたた寝して目が覚めた時や、朝目が覚めた時に思いついた内容は、メモを取っておかないと後からは絶対に思い出せない。


 これは、エンジニア時代から思っていた事でもあり、あるメーカーの開発者と打ち合わせの時に、相手の開発者から同じような事を言われました。


「家で昼寝をした後、パーツのアイデアが思い浮かんだけど、明日、会社で企画書に書けばいいやと思って、テレビを見たり食事をしたりして過ごして、翌日、出社してから企画書を書こうと用意したら、昨日のアイデアが思い出せないんです」


 それを聞いて、同じ事が有った事を思い出しました。


(なる程、みんな同じなんだ)


 そう思って聞いていると、その人の対応策も聞けました。


「それ以来、常にメモと筆記用具を持ち歩くようにして、気がついた事を書くようにしているです」


 全く、その通りだと思いました。


 それ以来、書き込むようにしたいと思いましたけど、本当に書いていたのか、今思い出すと疑問があります。


 メモが必要無かったかも。


 それが何でなのか考察してみると、思い付いた時が実験中だったり、実験が行き詰まって設計書を見直している時、データを整理している時だったので、直ぐに戻って実験していたように思えます。


 そして、そんな時は時間が足りず残業続きで、場合によっては泊まり込んでいた事もあり、寝て起きた時にアイデアを思い付いたら直ぐに実験室に行って実行に移せた。


 つまり、メモの必要が無かったのではないか。


 とてもブラックな方法で仕事をしていたので、メモするより先に実行に移せていたのでメモが必要無かったし、メモする時間があるなら実行していたと思います。


 ブラックな仕事になってしまったのは、負のスパイラルに陥っていたからなので、今なら絶対に行う事は無いでしょう。




 今は、スマホが有り、ボイスレコーダーと簡単に残すアイテムも有り、記録媒体が充実しているのでアイデアをメモ書きする必要は無いのかもしれません。


 最近の私は、アイデアが思い付いた時は、そのアイデアを何度も頭の中で繰り返すようにしてます。


 アイデア、今ではネタですけど、思いついた時には、何度も頭の中で繰り返すようにしてます。


 三分以内と言うより、思い付いたら、即、頭の中で繰り返し記憶に焼き付ける。


 特に、仕事中に小説のネタをメモしてますと言ったら、上司や同僚に絶対に叱られますから、表情に出ないように頭の中で繰り返し、場合によってはネタに肉付けをして話を広げておくと、メモではなく記憶だけでも多くの事が残っています。


 ただ、記憶に焼き付ける時、何度も頭の中で繰り返していると、思わず声に出てしまう事があります。


 誰かに話しかけられた時、思わず考えていたネタの話が声に出てしまった時は、話し掛けてきた人に対する言い訳が大変です。


 それでも覚えていた内容を、休憩時間などを利用して書き込んでおくか、家に帰ってから書く事ができるようになりました。


 そして、休憩時間に書く話のネタなら、スマホでカクヨムにログインして新規作成するとか、スマホのエディターに記録する。


 以前なら、アイデアを忘れてしまったと嘆いていたかもしれませんが、思い付いた内容を頭の中で繰り返すようになったので、根幹の部分を忘れる事は無くなり、忘れてしまった内容は途中の話程度となっております。


 話の根幹は頭の中で繰り返すことで覚えられると、話の流れの一本を忘れたとしても、話が少し別の方に流れただけだと思えるようになり、忘れても割り切る事ができるようになりました。




 そして、思い付いたネタは、今書いている小説に行き詰まった時とか、気分転換に動画を見ている時とかに思い付く事があります。


 思い付いたら筋書きを読み返して書く。


 書いている小説に行き詰まった時、その新しいネタを読んで筋書きを追加しつつ考えていると良い気分転換になり、書いている小説に戻ると話が出てきてくれます。


 また、何か別の事をしていて思い付いた新しいネタが気になった時に、その話を開いて読み返すと足りてない内容が見えてくれます。


 筋書きは箇条書きにして、思い付いたセリフは書き込んでおく。


 気がつけば筋書きだけだったはずが、良さそうなセリフも書いてしまうので、筋書きが、どんどん長くなってしまいます。


 こんな方法で、次々と話が盛れるのですが、困った事が一つ有ります。




 思い付きのアイデアで話を作っていくと結末が見えない。


 途中の話は出てきます。


 どうやって話を終わらせれば良いのか悩んでしまう事が多々あります。


(商業ベースだと、終わりの見えない話は編集者に嫌われるのかな?)


 そんな事を考えてしまいますが私は素人ですので、こんな場合でも書く事ができるなら、きっと、終わりを考えずに書き始めて話の流れで話を終わらせるでしょう。


 でも、今は書き終わってない話が有るので、思い付いたネタで新たな話を書こうとは思いませんから、思い付きの話は書き始めるまで温めておいて、気分転換をする際に読み返しては話を膨らませていく事になるでしょう。


 それを繰り返していたら話の終わらせ方も出てくるかもしれません。


 楽観的ですが、期限が決まっているわけではないので、新しいネタについても合間を使ったりしながら進めていきたいと思います。




 ただ、私の思い付くネタの題材って、ニュースやドキュメンタリーの内容からですので、需要の無い分野では無いか。


 話を面白くできるのか、自身でも疑問に思ってしまう事も有りますが、筋書きが出来て、登場人物を考え出したら変わってくるかもしれません。


 新しいネタは何らかの形で残しています。


 何年か後に書こうと思う事を期待しつつ、思い付いたネタは筋書きを残すようにしてます。

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