太陽

 俺は中世、ヨーロッパはハンガリーの生まれ。歳は軽く1000を超えている。

 俺は血が好きだ。今宵も血を吸うつもりだ。

 随分と暖かい日が続いている。日中はかなり暑いだろう。俺は日中出歩かない。夜、深夜にかけ、夜な夜な街を徘徊する。

 今日は大富豪の娘さんがターゲットだ。こんな島国だが、富豪という奴はいる。でも、大富豪となると話は別だ。この生き血はこの上もなく上手い。食べているものが違うからだ。

 さぁ、夜中の12時を回った。忍び込むか。

扉があるがなんのその。俺の魔力で穴があく。忍び込んでやった。


寝室までのルートは確認済みだ。書庫脇に寝室がある。本の数は大富豪ならではか。

寝室で寝ている美女、今宵はたっぷり吸わせて貰う。

 ベッドは天蓋がついたキングサイズ、そこに1人で寝ている。


 すやすや寝息を立てて寝ている。起きてもらうと厄介だ。何、恐怖心を起こさせない。俺はクールでスマート。細心の注意で、、、

 うぅ、木香の香り。これはキツイ。消灯台に魔除けの本、、、やめるか? いや、なんせこの島国一の美女。この生き血を飲めば後100年は生きられる。

「なんか食べたい、、、」

寝ているはずの美女が言う。寝言か?

「お腹すいた、、、」

何? こいつ腹減らしてんの?

「仕方ない。食事をする前にこの美女に食事を、、、、」

近くに料理本らしいものがある。ページを捲るとやたらと肉肉と出てくる。

「あれ? この本は、、、レシピが載っていない」

 でも肉の焦げる匂いがする。何だ? と俺は思う。

「読めば匂いの出る本か、、、最新技術か?」

 と、俺は呟いた。しかし、、、

 焦げているのは俺の手。時すでに遅い。あっと言う間に俺は廃になった。

 まさか、聖書だったとは、、、

 俺は文句を言いに死後、サタンの所へ寄った。サタンの霊界電話で紹介された女だったからだ。サタン曰く、

「だって、お前元人間だろ? ツェペシュの息子でもないし、、ドラキュラに噛まれた元人間をお仲間扱いするほど、うち、ゆとりないし」

だそうである。


太陽見て死にたかった、、、1000年前に見たきりだったから、、、。




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未題 石神井川弟子南 @oikyu

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