第28話 なんでシャルロッテ王女殿下がグランディに…… ファルネーゼ視点
【ファルネーゼ視点】
「なんでよ……! シャルロッテ王女殿下がグランディに……?」
あたしでもシャルロッテ王女殿下と話したことないのに……
なんであいつがあんなに親しそうに話してるのよ。
「しかも、あたしに給仕させるなんて……」
あたしはお茶を入れながら舌打ちする。
ムカつく・ムカつく・ムカつく……っ!
グランディは準男爵令息。
あたしは公爵令嬢だ。
「こんなもの……グランディにやらせればいいのにっ!」
なんで公爵令嬢のあたしが、メイドの恰好してグランディのためにお茶を入れないといけないのよ……っ!
すごい屈辱だ。
本当ならグランディがあたしとシャルロッテ王女殿下にお茶を入れるべきなのに。
完全おかしい、おかしすぎる。
「ファルネーゼさん、どうしたのですか? 早くお茶を入れてください」
シャルロッテ王女殿下が、あたしに言ってくる。
王女殿下の命令なら、あたしは逆らえない。
「はい……わかりました……」
「……何か気になることでもあるのですか?」
「いえ。何もありません……」
シャルロッテ王女殿下も本当に酷い。
公爵令嬢のあたしにメイドの仕事をさせるなんて……
いつか絶対にリベンジしてやるわ。
「ファルネーゼさん、なんだか不満そうですね?」
「そ、そんなことは……」
「あなたは国王陛下からしばらくの間、グランディさんの従者になるよう言われたのでしょう? 自分の罪を許してもらう代わりに。違いますか?」
「はい……そうです」
ぐぬぬ……正論だ。
あたしは反論できない。
「では、早くお茶を入れてください。まずはグランディさんに」
「う……っ! わ、わかりました……」
これも全部グランディのせいだ……っ!
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