第27話 シャルロッテ王女殿下にスカウトされる

「ぐ……っ! 離せ……っ!」


 獣人は俺を睨みつける。


「ふっふっふ……っ! 我、大義を得たり」


 こいつらはシャルロッテ王女殿下、つまり王族に手を出した。

 その時点で、こいつらは【逆賊】となった。

 だから、こいつらには何をしてもいい——


「死ね」


 俺は獣人の腹に、拳をぶち込む。


「ぎゃあああああああああああああああ……っ!」


 聖なる杖によって、【身体強化】をしていた。

 獣人程度なら、簡単に倒せる。


「ぐはぁぁぁ……」


 獣人は倒れた。

 白目を剥いて、泡を吹いている。


「嘘でしょ……。Aランクの獣人奴隷のはずなのに」

「どんだけバカ力なのよ……」

「バケモンじゃない」


 ファルネーゼの(元)取り巻きたちが、ざわつく。


「次はお前たちだ……」


 俺は取り巻きたちを見る。


「ちょっと待ちなさい……令嬢に暴力を振るう気?」

「そんなの関係あるか。先にやったのはお前らだろ? 撃っていいのは、撃たれる覚悟があるヤツだけだ」

「ひい……っ!」


 俺は取り巻きたちに近づくが、


「グランディさん、わたしは怒っていません。すでに勝負にはあなたが勝っています」


 ずっと近くで黙っていた、シャルロッテが口を開いた。


「しかし、こいつらは王族に対して不敬を犯したのですよ」

「わたしは許します。今すぐにこのお店から出て行くなら」

「ひい……っ! た、助かりました。シャルロッテ殿下……っ!」


 取り巻きたちは涙目になりながら出て行った。


「グランディさん、わたしが止めるのを待っていましたね」

「……いや、俺は本気であいつらをぶちのめそうと思ってましたが」

「嘘でしょう? グランディさんはわたしが止めるのを予想して、獣人を殴った。王族を利用しましたね」

「まさか」

「ふふ。そういう賢いところが好きです」


 シャルロッテは俺に近づいて、手を握った。


「わたし、グランディさんがほしいのです」

「えっ? 俺がほしい……?」

「はい。ちょっとここでお話しさせてください。ファルネーゼさん、お茶を入れてくださいな」



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【★あとがき】


遅くなりすみません!


モチベになりますので、


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