第5話

「結婚決定おめでとう!良かったわね!」


後日、小夜子さんに報告とお礼を言いに行ったら、小夜子さんはとっても嬉しそうに祝福してくれた。


「本当に小夜子さんのおかげ!たった5000円でこんなにしっかり叶えてくれるなんて。…でも一体どうやって叶えてくれたの??まるで魔法みたい。」


私は興味津々な顔で聞いてみた。


「う~ん…。企業秘密だからあんまり教えてあげられないけど、『魔法』というよりは『魔術』って感じかなぁ。」


小夜子さんはニヤリと笑いながらそう言った。


「値段はね、中高生みたいな若い女性でもお小遣いを貯めれば気軽に申し込めるくらいの料金にしたかったのよ。若い女の子達って叶えたい事がいっぱいあるでしょ?恋愛だったり交遊関係だったり、欲しい物だったり…。私、若い女の子達のワガママな相談を聞くのが凄く好きなのよ。ふふっ。」


小夜子さんの話を聞いて、私の頭に『?』が浮かんだ。


「あれ?小夜子さん、もしかして私の願い事もワガママだと思ってます???」


「う~ん、まぁね。まあまあなワガママっぷりよね。でもそういう話を聞くのが好きなのよ。だって可愛いでしょ。相手の気持ちなんて何にも考えず必死な所とか。」


「えー!?私のはワガママじゃないですよぉ!隼人だって結婚しようって毎日言ってたんだから!!むしろ結婚の約束を勝手に無かった事にしようとしていた隼人に問題があるわけで…。」


ニヤニヤしながら言う小夜子さんに、私は猛反論した。


小夜子さんは腕を組ながら天井の方を見上げて少し考えていた。


「まぁ、由樹さんのはまだ普通な方ね。願い事もハッピーな感じだし。もっとドロドロしていて身勝手な願い事を依頼する子なんて、いーっぱいいるもの。…色々事情があって同情しちゃう時もあるけどね。」


「は、はぁ…。」


…少し腑に落ちない感じはしたものの、細かい事は気にしない事にした。


だって私と隼人が結婚できる事はすでに決定しているんだもの。


私は改めて小夜子さんにお礼を伝えてお店を後にした。


そして半年後、私は無事に隼人と結婚することができたのでした♡


どんな願い事でも叶えてくれる『ミラクルショップ小夜子』。

とっても可愛らしくて素敵なお店…。

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ねがいごと~小夜子のお店~CASE1 琴塔子 @tukito_usagi

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