すばらしく痛くて甘い2人

本当にお互いを思い合っていて、2人でこの現実から抜け出そうとして、でも叶わなかった切なさが胸に沁みました。

SF的な管理社会の中、そしてそこから逸脱したコミュニティのゴミゴミした薄雰囲気がよく伝わってきて、その中で花開いた2人の愛情がより際立っているように思います。

バルディとルゥという、2人だけの特別な呼び名があるというのも象徴的で萌えました。
ロリポップという子どもっぽい駄菓子が2人のいとけなさをよく引き立てていて、同時にそれを共有するというアンバランスな艶かしさもあり、とても良かったです。

物語に引き込む文章の力がとても強く、最後まで萌えたっぷりでした。悲恋物が好きな人にはぜひオススメしたい一作です。