第2話 宇宙船「エントリー」

アキラとミナは宇宙船の周囲に立ち尽くし、その謎めいた光に包まれていました。遺跡の壁面には未知の文字が輝き、装置から放たれる光が全体を照らし出していました。


「信じられない…本当に宇宙船があったんだ…」ミナが興奮しながら呟きました。


アキラも同じく興奮の表情で、宇宙船を見つめながら言いました。

「これが昔話に出てくる宇宙船だとしたら、大発見だね!」


彼らの目の前には、宇宙船が静かに浮かんでおり、

その姿は神秘的でありながらも、

遺跡の中に溶け込んでいないほどの力強い存在感を放っていました。


船体には星々の光が反射し、まるで二人を歓迎するかのように輝いていました。


アキラとミナは興奮しながら宇宙船の周囲を探索し始めました。

彼らは宇宙船の外観に目を凝らし、周囲を回っていくと、

「0003?」という数字を見つけました。


「アキラ、こっちに数字が書いてあるよ」とミナがいった


アキラは興味深げにその数字を観察し、

「何だろう?船の型式番号かな」と考え込みました。


そばには入り口らしきハッチの取っ手が露わにされていました。

アキラが興奮気味に手を伸ばし、取っ手を握って引いたところ、

機械が軋む音を立てながら、ハッチが少しずつ開いていきました。


「見て、ミナ。ここから入れるみたいだよ。

昔話に出てくる宇宙船の内部への扉だ」とアキラが目を輝かせて言いながら、

二人は不安と興奮が入り混じった気持ちで中に足を踏み入れました。


その先には薄暗い空間が広がっており、

彼らの周りには複雑な装置や機械が立ち並んでいました。


その中心には一際目立つ大きなディスプレイが位置しており、

謎めいた光を放っていました。


その装置はまるで宇宙船を制御するための核心であるかのように見えました。


「これが宇宙船の中…」ミナが呟いた。


アキラは興味津々の表情で周囲を見渡し、

「すごいな…こんなに複雑な装置が…そして、あの装置は一体何なんだろう?」


二人がディスプレイの前に行くと突如

駆動音が鳴り機械類がうごきはじめた


「え!? 何?」ミナは身をよじるように驚いた


すると目の前のディスプレイの中に浮かび上がるようにして、人間の姿が現れた

「ようこそ、旅人たちよ。私は万能型宇宙船制御AIタロンです。」


アキラとミナは驚きの表情を浮かべ、ディスプレイの前に立ちすくんだ。


「これはやっぱり宇宙船だったんだ!!」アキラが興奮しながら言った。


「はい、この船は宇宙船になります。私はこの宇宙船の運行や情報提供を担当しています。そして、私はあなたたちの冒険をサポートします。」タロンが答えた。


ミナも興奮した表情で言った。「すごい…宇宙船が遺跡にあったなんて。」


「宇宙船に関する情報が必要でしたら、私がお手伝いできますよ」


アキラとミナは驚いたが、すぐに興味を持ってタロンの話を聞いた。


「タロン、君が宇宙船なのか。驚きだな。」アキラが興奮しながら言った。


「厳密には違います。私はこの宇宙船の運行や情報提供を担当しています。

AIです。」タロンが優しく答えた。


ミナも興奮した表情で言った。

「すごい…こんなに進んだ技術が古代にあったなんて。」


アキラとミナは驚きながらも興味津々にタロンの説明を聞いた。彼らが知識のないことを察知したタロンは、優しく彼らに宇宙船の仕組みについて説明し始めた。


「宇宙船は私が管理しているシステムによって制御されています。それは、船のエネルギー供給や航行コースの設定、緊急時の安全対策などを担当しています。

つまり、私がいなければこの宇宙船は動けません」とタロンが説明すると、アキラとミナは更に驚きを隠せなかった。


「すごいね、」とミナが感心しながら言った。


アキラも同意するように頷いた。

「確かに、遺跡の人々の知恵と技術には驚かされるばかりだ。」


タロンは微笑んで彼らを見つめ、「少し違いますね、この遺跡は、

あなた方がこの惑星に来る前は300年ほど前まではメテオル人という

先住民族が暮らしていました。」と言った。


アキラとミナはタロンの説明を聞いた時顔を見合わせた


「この惑星には僕らしかいないと思っていたんだけど」とアキラが困惑した。


「300年前のメテオル人…」アキラが興味深そうにつぶやいた。


「僕らが聞いていた昔話では人間は空より高いところに宇宙船に乗ってさまざまな星々を冒険して最終到達点、永遠の楽園の星がこのメテオルで

その時に別の知的生命体がいる話はどこにも本には書いてなかった」


ミナは困惑しながら、タロンに向かって尋ねた。「タロン、そのメテオル人ってどんな人たちだったの?彼らはどうしてこの星からいなくなってしまったの?」


タロンは静かに彼らを見つめ、

「メテオル人は、この星の先住民族でした。

彼らは知識と技術を持ち、会話もできました。


人類と対話を経て技術を進化しましたが、

約200年前に何らかの理由で突然この星を離れたようです。


その詳細は、私のデータベースには記録されていませんが、

遺跡からの情報によれば、彼らはこの星にあったすべての宇宙船に乗り、

星々の彼方へと旅立ったとされています。」と答えた。


ミナとアキラは驚きと興味を交えながらタロンの説明を聞いた。

彼らの心には、かつてこの星に存在したメテオル人がどのような運命を辿ったのか、興味が芽生えていた。


「すべてといっても今タロンあなたはどうしているの?

メテオル人がすべての宇宙船に乗っていってしまったんじゃない?」


アキラも同意するように頷いた。


「それは、メテオル人は把握していなかった。

私は人類がこの惑星に乗ってきた300年前の宇宙船「エントリー」なのです。

彼らが持っていったのはこの星で作られた宇宙船であり、

彼らは私はすでに解体されたものだと思っていたんでしょう」


少し得意げそうに言い放った




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星の旅人たち トリアタマ @Birdbrain

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