第3話

気付けばもう8月。

会社に入社して4ヶ月経っていた。

会社の同僚たちはみんな優しい。

俺は理系の学部を卒業したけど、ITエンジニアとしてのスキルはほぼ皆無だった。

初めて見る単語たち、少し早口にされるともはや聞き取れないカタカナや英語たち。

分からないことだらけだったけど、同僚の人達は手取り足取り教えてくれた。

と言うのも、俺が配属されたチームメンバーのほとんどは40歳以上。

新卒が配属されたのはとても久しぶりだったようだ。

だから、なんとなく期待されていたり、息子を見るような眼差しで色々教えて貰えた。


「なんか、結婚してる人とか恋人いる人多くない??」

これだけは、腑に落ちず、仲の良い同期にそう伝えた。

「なんか、そうだよね。そっか、だいには彼女いないのか。」

淡々と答えるこの同期の名前は光だ。

そうだ、光にも3年付き合ってる彼女がいるんだった。言う相手ミスったかな。そう思いながらも、同期で恋人いる人を2人で考えてた。

それだけじゃない、俺は彼女欲しいなとも考えてた。

いや、どう考えても後者の方をメインに考えてた。

同期の女性は、みんな彼氏がいるか、あまり俺のタイプじゃない人だ。

どこかでいい出会いないかな。

最近、そんな気持ちが強くなっていた。

あきとまだ付き合ってたらどうなってただろう。

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