第2話
「お荷物全て運んだので、傷の確認やトラックの中確認して書類にサインをお願いします。」
3月、快晴、日差しが暖かく心地の良い日を噛み締めていた時、引越し業者に声をかけられた。
そうだ、引っ越してきたのか。
そう思いながらも、部屋の確認をして書類にサインをした。
墨田区のそんなに広くない一室に詰め込まれたダンボールを見て、家具の配置を考えてた。
「ま、とりあえず荷解きしよっと。」
一人で呟きながらダンボールから少しずつ荷物を取りだした。
俺の荷物には、あきとの思い出が詰まっている。
マグカップを見れば、ああ、一緒に買いに行ったな。テーマパークのカチューシャ。小さなテラリウムにフライパン、鍋、服、ガチャガチャの小物たち。
どれを見たってあきとの思い出に溢れている。
「来週には、卒業式あって、、その後少ししたら入社式あって、、資格の勉強をして、、家の近くも散策しないとな。」
思い出に浸りながらも、次のことに目を向けて呟いていた。
新しい場所、新しい景色、新たな出会い。
その全てに期待をしている自分がいる。
心のどこかで、寄り添ってくれる人がいたらいいなと思いながら。
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