第2話 一歩目


「昨日の朝出た情報によると、ゲームの内容は人狼ゲーム的なものだ。いいな?通常の人狼ゲームならば、昼の議論の時が勝負の時間だが、普通ではないことはおそらく100%だろう。周りに流されるなよ。」

「了解でーす!」

「気を付ける」

「それと、確認だけど向こうに着いたら、赤の他人になるように」

「三人が繋がっているということだけで、三人全員が共犯と思わるってことか?白だしで全員が繋がっているならいいのだが…」

「リスクの方がでかいだろうね。黒陣営にはめられる可能性もあるから気を付けないとね?シュン?」

「レンも気をつけろよ」

「もちろん」

「…心の準備は出来たか?レン?シュン?」

「もちろん」「いいよ〜!」

「各々、健闘を祈る」

「「「我らLier《リアン》は永遠に!」」」


「「「オーダー9《ナイン》!!!」」」


 あれから、二日後。ついに、俺たちは世界を変える第一歩を踏み出そうとしていた。

 だんだん意識が遠くなる。昔から、この端末を使っているが、イマイチこの感覚には慣れない。

 ▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁


「やっぱし、仮面の野郎はいないな」

「そうだね。」

「まぁ、アイツは家族がいるからな。」

「やっぱり、家族は今のうちに大事にして欲しいなぁー」

「僕もレンの意見に同感だ。」


「よっしゃ!向かうとするかぁ〜!」

「おー!」「了解」

「作戦は昨日立案した通りだ。いいな?」

「もちろんOKだよー!」

「時間は絶対厳守な?特にレン!」

「気ぃーつけまーす」


「じゃ、僕はお先に」

「あぁ、気をつけて」

「ファイト!シュン!」

「じゃ、私も行くよ」

「レンも気をつけろよ」

「二人とも」

「「ん?」」

「俺は今、めっちゃ、ワクワクしてる。」

「うん。僕もだ」

「これは、公安の罠かもしれないけど、何かしらの希望があると信じてる」

「うん。私もだよ、」

「俺は世界を変えてやる。二人とも。」

「もちろんそのつもりだ」「任せてね!」


 俺はその二人の答えを聞いて安心した。先に館へと向かう二人を見送って作戦を振り返る。今回のこの人狼ゲームは、説明文から見るに。主催のヴラカスのオリジナルルールだろう。参加人数も役職配分も、ゲーム進行の仕方も分からない。分かる範囲、予測できる範囲での対策。残りの問題は、対戦相手と、これがまず、公安の罠かもしれないという懸念だ。けれど、後者の懸念はすぐに消えた。会場には、公安らしき人間はいないと、先に向かった、シュンからの連絡があった。通常、あのようなポスターに書いてあることに参加しようとするだけで犯罪になる。会場に公安がいないなら、このゲームは成立したと言えるだろう。時間だ。俺も向かうとするか。

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人狼GAME 佐原 零 @reidesukedonanika

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