ブルマロマン

安土朝顔

ブルマロマン

最近、Xのスペースで「ブルマ」という言葉を久々に聞いた。


一言聞いた時はドラゴンボールに出てくるブルマの事で、ドラゴンボールの話でもしているのかと思ったくらいにはあの紺色のブルマの存在を忘れていた。


紺色のブルマ。


若い世代は知らないだろう。しかしもしかしたら、言葉くらいは聞いた事はあるかもしれない。


簡単に表現すれば、かぼちゃパンツみたない形だ。

あのよく昔の童話で、王子様がシマシマ模様に白のタイツを穿いているのを浮かべて欲しい。


そしてそのかぼちゃパンツを紺色に変換してもらい、お尻にフィットさせた感じだ。


それが昔、女子の体操着として使われていた。

当時はAVで素材で使われて、パッケージでもよく見られた。


女優が白の体操着に、紺色のブルマ。そこから伸びる生足。

成熟した女性が穿くブルマ。


男性のロマンだったのだろう。


そんなブルマは今はハーフパンツ、または短パンになり消滅した。


まあ、デカパンみたいなものだったのと時代の流れだ。


さて自分は昔、某スポーツメーカーに勤めていた。その時、かろうじてまだ学販という部署があった。しかし自分が在籍していた頃には、すでにハーフパンツの時代。


しかしブルマを求める人間はいた。


ブルマがなくなって年数が経っているのに、電話での問いわせがあったのだ。

学販の人が昼休みに話し始めたのを、今でも覚えている。


「今日さあ、お客さんから電話があってさあ。あ、一般のね。それでブルマ、まだありますか? って。いやさ、仮にあったとしても売る訳がないじゃん。男の人に。年に数回あるんだよね。ブルマの在庫確認。多分、色んなメーカーに電話してると思う」



これを聞いて真っ先に思ったのは、


AV会社の人間か?


だが、真相はわからない。

ただブルマを探す旅人は確かにいた。

そこまでして探したくなってしまうブルマ。簡単に手に入らなくなって欲しくなったのか、それとも保存しこねたのか。


自分は後者な気もしている。


しかしブルマは凄いと思った。

嗅覚が記憶や感情を呼び起こすという話は有名だが、ブルマは自分に同じ現象を起こしてしまった。


ブルマ=嗅覚


凄い法則が成り立ってしまった。


ブルマ。ああブルマ。君の存在は今もロマンはたまた伝説としてとある界隈ではたぶん、受け継がれているだろう。


そんなブルマのはなし

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ブルマロマン 安土朝顔 @akatuki2430

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