第2話凌駕の過去
回想
物心ついた時に鏡で自分を見ている様な
物体が目の前をうろちょろしていた
彼の名前はりょうが
何でも母さんが違うってことらしい
オレひでおは根暗で陰気な少年
一方でりょうがは
おひさまみたいな子供なので
周りの大人達は彼のファン
でもりょうがは大人が嫌いみたく
触られるのを丁寧に断る
ごめんね?俺お風呂嫌いなの!
汚くなると悪いから触らないで!
そしてオレのそばにいる
なんかこそばゆい
いつもりょうがと遊んでた
ほんとの兄ちゃんと遊んだ事って
記憶がないから
あるかも?消したい記憶なのかな?
仲良しなのに喧嘩する
性格だけは180度違うから
りょうがはオレに
こうすれば良いのに何でしないの?
って絡んでくるから
うるさいって…
りょうがは悪くないのにね
中学生になり凌駕は不良になった
この頃からだいぶ距離を置くようになる
街でムカついた奴を片っ端から
ぶん殴り血祭りにして病院へ搬送
その都度オレのお袋が保護者の皆様に
頭を下げに行っていた
うちの凌駕が本当に申し訳ありません
凌駕は謝らない がお袋が必ず
保護者の皆様の前で凌駕をぶん殴る
本気のグーパンなので凌駕は
床に倒れる
すると相手の親御さんが割って入って
まぁまぁ子供のする事だから穏便に
と情けをかけてくれる
謝罪が終わり帰り道で
周りに人気がなくなる頃を見計らって
お袋が凌駕に土下座して詫びる
りょうちゃん本当にごめんなさい涙
凌駕は照れ臭そうに
おばさん、みんな俺が悪いんだから
そんな事をしないで下さいますか涙
毎回こんな感じなのだ
本当はねりょうちゃん、貴方を養子縁組にして息子として迎え入れたいの!
だけどあのぐうたら亭主が…
おばさんさぁ、毎回言うけど俺がそのままほんとのお袋の子供で良いからって!
りょうちゃんがそれで良いならもう言わないけど、でも!
本当のお母様が目の前に今居たとして、貴方のこれ迄の所業の数々を赦すと思うの?
…
凌駕はひと言も言えずに立ち竦む。
随分と酷い事をしてきた、ここらで潮時かもな…と考えていると、
りょうちゃん、秀雄と性格が全く違うのに気が合うのかいつもありがとうね?
そういうとおばさんは俺の頭をくしゃくしゃにして微笑んでいた。
おばさんの知り合いでさ、大工さんいる?
凌駕はおばさんにそう問いを投げ掛けた。
また藪から棒にぃ
居るにきまってるでしょ?
私を誰だと思ってるの?
この街で夜の商売していて私の名前を知らないなんて奴は潜りだからね!がっはっはっはぁ
その人達の中でさ、俺を住み込みで見習いとして雇ってくれる人は居ますか?
おばさんは考え込んで…
後ろを向きながら電話をかけた。
お前んとこ見習い欲しいって言ってたろ!
…
ひとり面倒をみてくれるかい?
…
あぁ?誰って?満雄と凌子さんの子供!
住み込みだから!
…
良いよな!お前んとこ子供いないし!
…
中学生だからな!放課後お前んとこに行かせてあげるからみっちり基礎かる教えるんだぞ!
…
明日からな!あぁ頼む、何時でも飲みにきな!
んじゃぁそう言うことで!
はい、また。
よしっきまったよ?
りょうちゃん、嫌っ凌駕さんこれから此処で働く為の勉強をしてきなさい!
義母さんはお袋の名前を書いた下に住所と相手の男性の名前電話番号を記したメモを俺にくれた。
ありがとうおばさん、嫌っお母さん。
深々とお辞儀をする凌駕。
大事な息子に此位はしないと凌子さんに怒られるからね!
こうして凌駕はこの日を境に喧嘩をすっぱり辞めて見習いの勉強を始める事となった。
もちろんオレ秀雄はそれを事後報告で聞いたのだった…
凌駕とオレ 腹違いの双子?笑 MICHIO'Z BLOOD @michio2-blood
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