拝読致しました。
江戸と大阪、その距離五百キロのシンクロニシティ。
豊臣のトップと徳川の支配者が、同一人物憎しのあまりに一つの家の滅亡を願い、片方の仕掛けた悪戯に見事に食いつくという対称性が面白いです(^^)
まあ、壮大な自決みたいなものなのですが、激情に駆られいっきにではなく、真綿でじわじわと締めさせるという倒錯的なやり方なので、虚しさは止むなし。
そんな胸中は察しつつも江戸へと登る完子さんの想いや如何に??
作者からの返信
江戸と大阪、そういえば、この時代の、いや今でもこの国の双璧の都市の支配者――豊臣と徳川の「大君」が、それぞれ豊臣家の滅亡を期すという、とんでもない展開になってました^^;
しかも秀頼の、ものすごくささやかな悪戯で、それが始まってしまうという……。
秀頼としては、自決もそうですが、豊臣という家、そして大坂の城をたたきつぶしたいのでこういうやり方を採りましたが、いざそうなってみると、いくさの現実が押し寄せて……いろいろとキツくなっているのでは。
完子さん、この状況の打開を図って、江戸のクイーン・江を訪れるつもりですが、江はダークサイドにどっぷりはまっているからなぁ……^^;
ありがとうございました。
秀頼が豊臣を滅ぼしたいという気持ちとそんな豊臣の自分も血筋であるのに変わりはないというところが虚しさの原因のひとつでしょうか
秀吉は憎くても秀次は父親で被害者ですもんね
生きて豊臣も天下も手中にしようと思えなかったのが秀頼の弱さだったのかなぁ
作者からの返信
秀頼としては、「実の父」の秀次を使うだけ使って、ポイ捨てした秀吉が許せなかったようです。
そんなわけで、そこまでして残したかった豊臣家=秀吉の最高の作品を叩き壊すことにしました。
そしておっしゃるとおり、そんな風に粋がったところで、秀頼自身も豊臣の子であることに変わりはなく……。
ここで「じゃあ豊臣も天下も盗ってやるぜ!」という、乱世の梟雄みたいなことができるかというと、ちょっと無理でしょうね^^;
何だかんだ言って、秀頼はお坊ちゃんなんで……。
ありがとうございました。
編集済
おのれの出生に濃厚な疑いを抱いた秀頼の、いわば稚気あふれる思いつきから歴史が大きく動いたとは皮肉なものですね。
過去の歴史小説で描かれがちな茶々との母子密着ぶりが稀薄なことにも、貴作ならではのオリジナリティを感じます。
作者からの返信
史実は徳川の強引なやり方で火ぶたを切った大坂の陣。
拙作では、秀頼が豊臣家を滅ぼしたいがゆえに招いたことにしました。
本当に徳川が来るとは、実は思っていなかったかもしれません。
でも戦火が城に及んで、合戦を知らない秀頼は、何を思うのか……。
秀頼と茶々を密着させれば、茶々が秀頼の正常な判断を阻害した……と描けるから、そう描かれて来たのではないでしょうか。
でも実際は、茶々は二度の落城も経験しているし、織田・浅井の血を引いて、戦国武将の家の者として育てられているでしょうから、そんなに密着していないと思うんですよね。
茶々も女城主というか、そういう気風を受け継いでいるから、上に立っていろいろと考えて動いていた、という設定です。
だから恋愛も自由にしてますし(笑)
ありがとうございました。
完子さんの献身と決意が、哀れです!
作者からの返信
完子さんはかなり頑張った方だと思います。
今こそ茶々に、九条家に嫁がせてもらった恩を返すべきと思ってますが……。
ありがとうございました。