僕はこうなりたい。

パ・ラー・アブラハティ

窮屈な世界からの解放

 この世界は様々な言葉で溢れかえっている。それは日本語では無い言葉かもしれない、はたまた誰かの心をつき突き動かす言葉かもしれない。この地球という世界には本当に多くの言葉で溢れかえっている。


 日々を過ごすために何気なく交わす言葉にはとてつもない力が秘められていて、それは人の人生をも動かすことが出来る。だからこそなのだろうか、この世界には逆手にとったように人を縛り付け傷つける言葉も溢れている。


 何気なく放たれた言葉は時として鋭く尖った矢となり、人の心を痛めつける。矢を抜いたとしても傷跡は残り、かさぶたが上から傷を癒そうとしても、その傷はずっと残り続けて苦しめる。傷跡は必ず残るものなんだ。どんなに平気なフリをしても、その傷跡がある限り思い出してしまって苦しくなって過去に縛りつけられてしまう。


 だから、言葉は考えて放つべきものなんだ。自分の口から放たれる矢の威力は想像が出来ない。打つまではどれだけの力を持っているかなんて、当の本人ですら把握が出来ないのだから。打って、傷付けて、そしてやっと気付く。自分のしてしまった行為の愚かさに。


 人を縛りあげる言葉もダメなんだ。こうやって生きなさい、こうしていなさい。なんで人が人の生き方を決めて、人が人の言いなりになって生きなければならないのか。社会がそういう風にできているから、幼いうちから慣れてなさいとでも言いたいのか。貴方が慣れたと勘違いしているそれは貴方に怯えているだけだ。


 貴方が人を縛り付ける言葉を言うから、その人の心は恐怖で縛り上げられ動かなくなってしまったのだ。一度、そう一度だけでも恐怖の縛り跡がついてしまったならそれはずっと残ってしまう。払拭出来たと思っても、心にくっきりと付いてしまったそれを見る度にその人は思い出すことだろう。


 この世界は狭く、窮屈な世界にはこんなにも様々な言葉が溢れている。

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