応援コメント

第2話」への応援コメント

  •  凛花のように施設を出ていった子供たちの今後の人生について想像が膨らみました。彼らは長年住み慣れた村に留まるのか、はたまた未知の世界へと旅立つのか。どちらの選択をしたとしても、経済的な問題や新しい環境への適応など、様々な困難が待ち受けていることでしょう。しかし、自分の人生を自分の意思で選択し、歩んでいくことは尊いことです。きっと彼らなりの答えを見つけ、力強く生きていってくれるはずだと信じています。

     一方で、沙羅のように雪が降るたびに記憶を失ってしまう子供達のことを考えると、胸が締め付けられる思いがします。もし記憶の喪失が文字通りであるなら、彼らの知識や学習は七歳の時点で停止していることになります。大人の体になっているのに、なぜ自分が大きくなっているのかわからず、戸惑ったりしているのでしょうか。

     そんな過酷な状況の中にあっても、新奈と沙羅の絆だけは雪に埋もれることなく、揺るぎないものとして描かれています。「私の心が今もかたちを保つことが出来ているのは、きっと沙羅が私の隣にいてくれるからだと思う」という新奈の思いが象徴するように、人と人との絆は表面的な記憶や知識だけで成り立っているわけではなく、むしろ、心の奥底で感じ合う温かさや安らぎ、そして相手への愛情こそが、人間関係の核心なのだと思わされます。それは困難な状況をも乗り越えていく原動力になり得ることを感じられました。私たち読者に、改めて人と人とのつながりの尊さを教えてくれる、感動的な一場面だったと思います。

     また、「触れてしまっただけで割れてしまいそうな程に透き通る青い空」という表現は、雪の降らない晴天の日々が、新奈にとってかけがえのない希望をもたらすものである一方で、その儚さゆえにいつ失われるかもしれない不安をも感じさせる存在であることが見事に表されていました。安寧の日々もまた永遠ではなく、再び雪が彼女から大切なものを奪っていく日が訪れるかもしれない。新奈自身、そのことを誰よりも理解しているからこそ、降雪のない一日一日を噛みしめるように生きているのだと思います。

    作者からの返信

    マジック使いさん、こんにちは!

    貴重なお時間を私のような作品に使って下さり、ほんとにありがとうございます…!

    標高の高い山々に囲まれた冬の帳村。その中にある、更に小さな世界で生きる新奈や他の子供達にとっての外の世界はある種異国のようなもので、新奈のように憧れを抱く子供もいれば、この場所から出たいとすら思わない子供もいて、でも等しく皆に共通しているのは、子供達は子供達なりに精一杯生きているということなのですよね。この先も新奈達の目の前には幾つもの壁が立ちはだかりますが、それでも必死に前を向き歩き続ける皆の姿を見守って頂けたら嬉しく思います。


    マジック使いさんがおっしゃって下さった──人と人との絆は表面的な記憶や知識だけで成り立っているわけではなく、むしろ、心の奥底で感じ合う温かさや安らぎ、そして相手への愛情こそが、人間関係の核心なのだと思わされます。という部分、まさに私がこの物語を通して書きたかった想いだったので、そのようにおっしゃって下さったことでほんとに嬉しくて、胸がいっぱいになりました。伝わって下さったんだと感極まってしまいました。

    孤独な日々を生き続けてきた新奈の隣にはいつも沙羅がいて、たとえ一緒に過ごした日々を覚えてもらなくても、新奈にとっての沙羅は生きていくうえでの道を照らすひかりのようなものなので、尚更かけがえのない大切な存在なのだと思います。

    沙羅と新奈は、これから幾つもの選択を迫られます。互いに想い合う二人がどんな人生を歩んでいくのか、これからも見守って頂けたら凄く嬉しく思います。

    マジック使いさん、改めてになりますが温かいコメントを下さりほんとにありがとうございます!

  • 雪が降ることで新奈に訪れる苦しみは、ここまでも触れられてきましたが、沙羅との関係性や村の人との関係性も見えてきて、また新しい物語の手触りを感じました。
    閉鎖的な村と村の人からの視線、気持ちの良いものではないですよね……。
    そんな中で新奈の大切な人、沙羅との関係性はとても尊いものになっていると思います。
    でもそんな村人も、沙羅でさえも、雪が降ると全て忘れてしまうとは……。
    この施設の謎も気になりますね。
    まだ気になることがどんどん増えていく段階なのですが、それだけに先が楽しみな気持ちも膨らんでいきます。

    作者からの返信

    夕雪さん、こんばんは。

    読んで下さって、ほんとにありがとうございます…。凄く嬉しいです。

    新奈が抱えている孤独や悲しみはとてつもないものですが、沙羅がいるから生きていける、沙羅が覚えてさえくれたらという、微かな希望だけが、今の新奈の生への執着への根幹へと繋がっています。

    そして世界から半分隔絶されたような小さな村だからこそ知られないようにする方が難しいという村の空気感、この施設の謎と、新奈を取り巻く謎は次々と展開していきながらも少しずつ明らかになっていきます。また、お時間にゆとりがある日にでも楽しんで頂けたら嬉しく思います。

    夕雪さん、いつもコメントを下さりほんとに、ほんとに、ありがとうございます!いつも創作する力のようなものを沢山頂いています☺️✨

  • 深海かやさま

    こんにちは。

    雪が降るごとに皆に忘れられてしまう。でも、忘れられるということは、いったい何が悲しくて、何が苦しいのだろう、とあらためて考えてしまいました。

    雪が降るごとにそれまでの記憶を失う人々。その人々が新奈のことを邪険にするわけではなく、ただ、それまでの出来事を忘れるだけ。つまり、過去の新奈は忘れ去られる哀れな存在だけれど、今を生きる新奈は皆とともに世界を生きているのですよね。

    これまで自分が仲間や恋人とともに紡いだ過去がなかったことになる。幾度となく、同じことを繰り返さねばならない。自分とはいったい何なのか、自分の存在とはいったい何なのか、他者の中からなくなってしまえば、自分は自分でなくなるのか。いろんな思いが頭の中で渦巻きます。

    人を理解するということ、人に共感するということ、それらの危うさ。この物語が示す忘却には、それに通ずる何かがあるような気がしました。

    忘れられてしまうことは、悲しいことなのでしょうか。物語と一緒に、しばらく考えていきたいと思います。

    作者からの返信

    佐藤様、こんにちは。

    私の作品を貴重なお時間を使って読んで下さったうえに、コメントをまで下さりほんとにありがとうございます…。凄く嬉しいです。

    雪が降ると、記憶を無くす。これがこの物語の根幹に位置するものなのですが、新奈はそんな中この村で唯一記憶を無くす事なく生き続けている。それゆえに抱える苦悩や悲しみというものは、回を追う事に明らかになっていきます。

    物語の深いところまで読んで下さったうえに、そのようには何かを考えて頂ける事は、拙いながらに一つの物語を書いた身としてこの上なく幸せで嬉しいことです。

    佐藤様、改めてになりますがこのような素敵なコメントを届けて下さりほんとにありがとうございます!