プロローグ3 銀行強盗その② 〜交通事故〜


「はぁ、今日も何もないかぁ」

大谷警官は町のパトロールをしていた。

「いや、でもそれはいいことじゃないんですか?」

隣の助手席に座っている恵美村が座っている。

「うーん、でもそうだけどさぁ。俺たちみたいな下っ端の警官は、なにか事件を見つけないと出世できないんだよ」

「大谷さん、最近そんなことばっかり言ってますね」

「いや、俺と同じ階級のやつらなら、全員同じこと思ってるだろ」

「まぁ確かに」

下っ端の警官二人は、こうして毎日パトロールをする日々だ。

そんなことを二人で喋っていると、プルルルルと音がした。

『○市の銀行で強盗が発生。犯人は今、車で逃げている模様。えぇ車の色は、銀色。ランボルギーニで……』

「大谷さん、あの車もしかして」

恵美村は爆速で走る車を指差した。銀色のランボルギーニだ。

「あ、あれは、絶対そうだ!」

「やっぱりそうですよね!」

そう、その車は、例の、ブラックジャックの車だったのだ。



「カマさん、なんかパトカーが追ってきてるよ!」

僕は焦っていた。

「わかってるよ。でもこれ以上、スピードを出すと他の車に当たって、事故になるぞ!」

カマさんも焦っているのか、少し怒っている。

「まぁまぁ二人とも喧嘩しないでちょうだいよ。いつものことじゃないの」

キューさんはなぜか落ち着いている。

 僕らを乗せたランボルギーニは、森の中に入っていた。それでもパトカーはついてきている。

「くっそ。メッチャ追いかけてきやがる。よしかけにでるか!」

カマさんが急にそんなことを言い出した。

 

僕らは十分ほど前、金を積んだバッグを持ち、銀行の外に走り出し、そして銀行の前に置いてあったランボルギーニに乗り込むと、カマさんが車を発進させた。

そして、今というわけだ。

 カマさんは車の速度を上げた。そして猛スピードで車が走り始めた。

ブルルルルルル、ボーン!

 車は速さのあまり、空を飛んだ。

「うああああああああああ」

洗濯機の中に入った気分だ。

 そしてーーーー。

 どーん!とすごい衝撃音がした。そしてもう一台、パトカーが地面に落ちてくるのが見えたところで、僕は意識を失ってしまった。

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異世界の銀行、レベル100! @kamemidori

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