泡がこわれた

@lotu

第1話 朝

 今日は中学の卒業式。中学生は早かった。この間入学したみたいな感覚。みんなも同じかもしれないけど、、。ただ、私の中ではとても変化のあった3年間だったと思う。


 中学生になって1年がたった頃、私は中学生ライフを十分に楽しんでいた。そんな時に、母親が自殺をした。

 


 朝起きて、いつも私より母親の方が早く起きているのに、その日は起きていなかった。寝坊かなって思って朝ごはんを一人で食べていたら、30分が経った。

 「なんか遅いな」

母親が寝坊するなんて、別に驚いたことではない。でも、なんとなくいつもと違う雰囲気がした。

 

 私は、朝起きてすぐに母親のベッドを確認していた。その時、なんとなく布団が膨らんでる気がしたから、寝てると思っていた。

 「でも、ここまで起きてこないのなら、寝てるわけじゃない、、?」

まだ成長途中の頭で必死に考えた。でも、なんとなく、本当になんとなくだけど、ベッドをもう一度確認するのは怖かった。

 だから、まずは外。外出しているのかもしれない。

「車はある。自転車もある。靴を履いて出た様子もない。」

家の中にいる。それがわかってしまった。怖かった。母親はどうして起きてこないのか、なんとなく分かった自分も怖かった。


「見なきゃ。私が確認しなきゃ。何も始まんない。」

一丁前にそんなことを思った。

ゆっくりと母親が寝ているはずの寝室を開ける。電気をつけてみた。起きてすぐは暗くてはっきり見えていなかったが、明るくなって、ベッドに人影がないことに気がついた。ベッドの上には大量の薬。あぁ、いつもとは絶対に違う。

右を向けばクローゼットがある。いるならここくらいしかない。


お願い、いないで。


 願いって、やっぱり事前じゃないとダメなのかな。予約しておかないと、効果がないのかな。

 母親はそこにいた。立っていた。いや、、、、立っていたというより、、(これはご想像にお任せします)


青ざめた唇。


それだけでタヒんでいるということが分かった。0.01秒ほどしか見てないけれど、きちんと母親の頭の先から足の先まで認識した。頭に焼き付いた。

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